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無料携帯コンテンツ・ビジネストレンド(着うた・ゲーム型市場)

栂野延利
2007年3月23日 / 10:00
 
 
前回のコラムでは、携帯公式サービスのキラーアプリケーションとして台頭している有料型着うたとゲームの市場環境に関してお話ししましたが、今回は急速に勢力拡大している携帯の無料型サービス市場についてお話したいと思います。

■無料型サービスの拡大
ソフトバンクによるボーダフォン買収とそれに伴うY!ボタンの設置から、携帯電話での検索ウィンドウ活用を各社が標準化するようになり、既に携帯 EC サイトやホームページサービスなどで数百万という会員数を誇る非公式モンスターサイトの出現もあったことから、検索ウィンドウの標準化はユーザーに公式サイト以外のコンテンツへリーチする手段を飛躍的に拡大させることとなりました。

そこで PC 同様携帯コンテンツにおいても無料+広告ビジネスモデルを導入する業者が多くなり、その中でも公式有料型サービスでのキラーアプリケーションである「着うた」と「ゲーム」を機軸に会員数を集め、広告収入を狙うビジネスケースが増えてきています。以下それぞれのサービスケースに関して具体的な事例とそのビジネスモデルの特徴を紹介していきましょう。

■無料着うた型サービス
着うたや着メロ、待ち受け、デコメールなどダウンロード後に再利用するかたちのコンテンツまたはそのパーツの提供を無料で行う非常にシンプルなサイトで、有料型で提供されるコンテンツがそのまま無料で提供されているビジネスです。

収益モデルは主に他社からの広告出稿によるクリック型広告収入となります。インディーズ音楽など有料型では課金しにくいコンテンツを無料配布し、CD やダウンロード販売のプロモーションとして活用する例もありますが、収益モデルとしての成立は難しいと考えられます。

PC では Youtube のようにユーザー自身がコンテンツを UP することによる無料コンテンツ・シェア型サービスがトレンドとなってきていますが、実際はプロアーチストの作品を許諾なくシェアしている例がほとんどです。

勿論プロモーションとしてアーチストサイドが許諾している例もありますので一概に言えませんが、無料でユーザーにコンテンツ提供・シェアというかたちを取っていても使用料がアーチストサイドへ支払われるかたちがなければ健全な事業とは言えないでしょう。

その点で携帯の無料着うた型サービスの方が、広告料を原資としてアーチストへの使用料を払うことが可能であるため、同じ無料型サービスでもビジネスモデル的には健全であり、事業継続性が高いと言えるのではないかと思います。

■無料ゲーム型サービス
無料携帯着うた型ビジネスと同様に、広告クリックを収益モデルとした無料携帯ゲームサイトも増えてきています。最近では無料携帯ブラウザ専用ゲームを提供する DeNA 社の「モバゲータウン」の登録会員数が400万人を突破したとの News が記憶に新しいところです。

公式有料型ゲームが、過去ゲーム端末で人気が出た RPG 作品のサイドストーリーなど、「他端末ではできないゲーム内容を売り」にしているのに対し、無料ゲームは待ち合わせや空いた時間における短時間の「暇つぶし需要」を満たすものとなっています。

そのため無料で提供されるゲームの内容は、「左右+決定キーのみ等のシンプルな操作」と「1ゲームの操作時間が1分程度と短時間で終了する」などの特徴を持った、携帯電話の端末と利用特性を反映したものとなっています。

また通信機能を持つ端末であるにも関わらず、他携帯ゲーム端末にあるようなワイヤレス通信による多人数対戦というような使い方もなく、これは広告をクリックさせなければいけないビジネスモデル上の制限があるためで、ゲームに長時間集中されるとそれだけ広告クリックタイミングを挿入するのが難しくなるため、1セッション毎を短くする必要があるためと考えられます。

■今後の無料型サービスの行方
PC においても携帯においても有料型コンテンツを無料で提供し、広告クリックで収益を得るビジネスモデルは存在してきました。ただコンテンツそのものは一度ダウンロードされるとローカル端末内で利用されることとなり広告クリックには結びつかなくなりますし、操作があまりにも単純なゲームではいくらコンテンツを工夫してもユーザーにどうしても飽きられ易くなります。

そこで事業継続性を高めるために昨今活用されているのがコミュニティです。無料コンテンツやゲームがインセンティブとなり顧客がサイト訪問・登録した際に自然なかたちでコミュニティへの登録を済ましてしまうことが、その後のビジネス展開に重要となるのです。

事実先述の無料ゲーム型サイト「モバゲータウン」では、アバターを活用した携帯 SNS により非常に効率的な顧客リテンションを行っており、広告クリックが必然的に増える方策を取り込んでいます。

過去の有料型事業モデルに比べて飛躍的に会員数を獲得しやすい携帯無料型事業モデルですが、中高生という若年層の獲得における広告モデルであるため、会員数比売上額においては大きな乖離があるのが実情です。新しい顧客リテンションツールとして、また広告効果を高めるコミュニケーションサービスとして活用が始まった携帯 SNS ですが、次回はその携帯 SNS の Web2.0的可能性とそれを取り巻くビジネス上の問題点についてお話したいと思います。
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