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モバイルと PC を融合せよ

西田 徹
2006年9月22日 / 09:00
 
 
インターネットマーケティングを実施する際、モバイルと PC というふたつの手段を活用することは相当浸透してきたように思われる。しかし、そのふたつをどう関係づけて売れる仕組みを構築するのかについては、まだ道半ばともいえる。このテーマに関してステップを踏んで検討してみよう。

● モバイルと PC を切り離せ

モバイルマーケティングを始めたばかりの企業によく見られる「間違い」は、PC インターネットの延長線上でモバイルを扱ってしまうことである。例えば以下のような考え方である。

・PC の Web サイトを要約してモバイルサイトを作ろう
・PC のメールマガジンを要約してモバイルメルマガを作ろう
・PC でのキャンペーンが予定されているので、モバイルでも告知しよう
・PC での通販でよく売れた品目をモバイル通販でもメインに訴求しよう

残念ながら、このような考え方での取り組みは失敗する頻度が高いのである。考えてみれば当然のことかもしれない。どちらもインターネットの仕組みを使ってコミュニケーションをしているからといって、それはユーザーにとってはあまり関係ないことなのだ。

モバイルと PC では、これらを利用する場面、時間帯、目的、操作手順などがまったく異なるのである。であれば、モバイルマーケティングは、PC インターネットのマーケティングとはまったく切り離して捉える必要があるのだ。

・モバイルサイトはユーザーにとっての位置づけが PC サイトとはまったく違うはずだ。モバイルサイトの構成についてはゼロリセットで考えよう

・「読み手に何を伝えたいか」は、モバイルメルマガと PC メルマガではまったく異なるはずだ。読者集め、内容、配信頻度などについてゼロリセットで考えよう

・PC でのキャンペーンとは別に、モバイル単独でのキャンペーンを検討しよう

・通販での売れ筋品目は PC とモバイルでは異なるはずだ。分析してみよう

上記のような考え方でモバイルマーケティングに取り組むことをお勧めする。

● モバイルと PC を融合せよ

モバイルマーケティングを切り離して実施し、ノウハウを蓄積してきた企業には「モバイルと PC を融合せよ」というメッセージを伝えたい。このコラムの前半の主張と一見矛盾したメッセージに聞こえるがそうではない。それぞれ独立した活動として完成されたふたつのマーケティングを有機的に結合せよと説いているのである。

ポイントはユーザー視点である。例えば田中さんというユーザーがいたとする。彼はモバイルでも PC でも当社のサイトにアクセスしているとする。また、モバイル・PC 両方のメルマガを受け取っているとする。であれば、田中さんへのコミュニケーションを最適化すべく、必要に応じてモバイルと PC を使い分けることが当然といえよう。どのように使い分けをすれば良いか、メールマガジンを例に解説しよう。

・ モバイルメルマガの長所

モバイルメルマガの長所はなんといっても文章作成が容易であることだ。100文字〜200文字程度の文章であれば、ヒト・モノ・カネといった経営資源に大きな負担をかけることなしに制作可能である。

リアルタイム性もモバイルならではの長所であろう。「松井選手が復帰第1戦で4連続ヒット!」といったタイムリーな情報を送信するには PC よりもモバイルのほうが臨場感が大きいのだ。

また、精読率の高さもモバイルメールの特徴である。ただし面白さやメリット感に欠けるメールを送信し続けると登録解除されやすい。「ここぞ!」という時にキラーコンテンツともいえる内容を送り、高い精読率で読み込んでもらう。そんな「KO パンチ」のような役割をモバイルは持っているともいえるかもしれない。

・ PC メルマガの長所

PC メルマガの長所としては、まずはその情報量の多さがあげられる。大きな画面でじっくりと読み込んで理解を深めてもらうにはモバイルよりも PC が適している。リンク先の Web に関しても同様のことがいえる。

たくさん送っても嫌がられにくいことも PC メルマガの長所である。パケット代がかかるわけではないので、さっと目を通すだけのメルマガでも登録解除されないケースがモバイルよりは多いのである。

アドレスが変わりにくいことも PC メルマガの長所である。裏を返すと、モバイルのメールアドレスは苦労して取得しても数か月で変わってしまい、メールが届かなくなるといったことが日常茶飯事なのである。

・ モバイルと PC を融合する

モバイルと PC。それぞれの長所・短所を把握すると適切な使い分けが見えてくる。

例えば気軽なジョークネタで親近感を醸成したい場合はモバイルが向いているかもしれない。あるいは「当社の個人情報保護方針に関してご意見をお聞かせ下さい」といったシリアスな話題のアンケートをとるには、PC のインターネットが向いているかもしれない。

数万円から数十万円といった高額商品を購入いただく場合は、ゆるやかな関係作りのフェイズと、メリットを訴求した売り込みフェイズを分けるのが定石である。そうなると、前半フェイズには PC インターネットの「嫌がられにくい」という性質を活用して中期的な関係づくりをはかると良いだろう。そしてここぞという時には顧客の懐に深く入ってゆけるモバイルメールで来店促進を促すといったシナリオが有効そうである。

モバイルと PC の両方のメールアドレスを個人に名寄せして保有しておくことには付随的なメリットもある。上述したように、メールアドレスはいつかは変わってしまって届かなくなる。特にモバイルにその傾向が強い。ところが PC のアドレスが生きているのであれば、「モバイルのメールアドレスの再登録をお願いします。ご登録者の中から抽選で…」といった具合に再登録を促すことも可能なのである。

PC の延長線上でモバイルを捉えている企業には、両者の切り離しをお勧めする。そして PC のインターネットと切り離すことでモバイルマーケティングの活動を自立させてきた企業には、ふたつの活動を再度有機的に結合することが求められているのである。
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