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二重構造メール

西田 徹
2005年12月22日 / 09:00
 
 
飲食店チェーンなどからモバイルメールを送り、来店促進を図る。 これはモバイルマーケティングの定番パターンの1つといっていいだろう。

ところがメールによる来店促進は、 効果を出している会社と、そうでない会社の差が大きいように思われる。 その理由は様々あるが、 極めてシンプルな要因として「配信頻度」があげられる。 月に1回しかメールクーポンを配信しない店と、 週に2回配信する店では、成果に違いが出るのが当然である。

だからといって「皆さん。がんばってたくさん配信しましょう!」では芸がないので、 配信頻度増加のためのノウハウを今回ご紹介しよう。 それが二重構造メールだ。

前提としては、単一店舗ではなくチェーン展開している店が対象である。 つまり、「本部と店舗」の二重構造になっている場合である。 これは「本社と営業所」や、「本部と営業マン」にも使えるノウハウである。

●店舗メールは効果的。しかし、配信の余裕がない

店舗(店長)からのメールは極めて魅力的(効果的)になる可能性を秘めている。 チェーン店とはいえ、その店の個性を打ち出せばいいのだ。

単純な例でいえば「値引き情報」である。 もちろん本部裁量での値引きもあるが、 利益管理の単位である店舗(店長)に、値引きの判断が任されている場合も多い。 例えば「ちょっと今週は客の入りが悪いな……」と思えば、 週のなかばに「突然ですが、『寒さをぶっとばせ。1,000円引きキャンペーン』をやります!」といったメールを打つことになる。

もちろん値引き情報だけに限らない。 腕のいいシェフならば、 その店とっておきの料理手法やこだわり食材に関する情報を提供できる。 大事なのはチェーン全体としての最大公約数ではない、 その店だけの情報であることだ。

また、接客上手な店長であれば、当然顔と名前を顧客に覚えて貰っているはずであり、 その人個人から来るメールならば精読率と来店促進効果が高いのは当然である。

しかし……

店舗という現場は、戦場のような忙しさである。 書くべきネタはたくさんあるのだが、それを文章化する余裕がない。 また、調理や接客においては超一流のスキルをもっていても、 IT に関しては素人同然という店長も多い。 結果として来店促進メールは送られることなく、 モバイルマーケティングという道具はさび付いてゆくのである。

●本部メールは確実に配信される。しかし、「つまらない」

一方、本部からのメールは確実に配信される。 IT スキルに長けた担当者がいて、店舗支援を本業としている。 時間的余裕もたっぷりある。

ところが今度は別の悩みに遭遇する。 本部からのメールは「つまらない」のだ。 例えば「○○ラーメンチェーン本部の西田です!」とメールで名乗ってみたところで、 お店で会ったことがない。 親近感を醸成する効果が薄いのだ。

また本部主導のキャンペーン以外には伝える情報がない。 食材に関しても「安全で新鮮。栄養たっぷりの有機野菜を使用しています」といった、 最大公約数レベルの話しかできない。

なぜ来店促進メールの配信頻度があがらないか、わかっていただいたと思う。 例外的に IT スキルが高く、 モバイルなどの先進ツールへの好奇心が高い店長がいる場合。 あるいは各店舗への強いコネクションを持つ本部スタッフがいる場合にだけ、 高頻度かつ効果的な来店促進モバイルメールが配信されるのだろう。

●二重構造メールというソリューション

そこで編み出されたのが二重構造メールというソリューションである。

まず、顧客から見ると、店舗(店長)からのメールが高頻度に来る。 またメールに返信すると店舗(店長)に届く。 つまり単なる店舗メールなのである。 ところが実はこれは本部から配信されているのだ。仕組みは以下である。

メール全体が仮に200文字だとすると、 店長はそのうち数十文字だけを事前に入稿する。 食材の話、キャンペーン情報、お店のそばにある名所の話、 自分の家族の話、何でもいい。 どんなに忙しい店長でも数十文字ぐらいは書けるものである。

残った百数十文字は本部の制作となる。 例えば「本日、12月26日誕生日の有名人は?」といった読み物コンテンツなどである。

メール配信の操作も本部で行う。店舗(店長)は実務に専念すれば良い。 店舗からのメールが、自分が忘れていても「自動的」に配信されてゆくのである。

ただし、店舗Aのお客さんへのメールには、 その店長が入稿した数十文字が挿入されている。 From アドレスも店舗A(もしくはA店の店長)のものである。 そして、店舗Bのお客さんへのメールには、 その店長が入稿した数十文字が挿入されている。 Fromアドレスも店舗B(もしくはB店の店長)のものなのだ。

今回紹介した二重構造メールは、本部と店舗だけに限らない。 「生き生きした情報を持つ現場だが忙しい。 IT リテラシーとマンパワーがある本部だが最大公約数情報しかない。」 この状況があてはまる場合は、すべてこのノウハウが応用可能である。 実際、とある金融関連の本部と営業マンでこの二重構造メールをトライアル実施したところ、絶大な効果があがった例がある。

配信頻度を上げると同時に、 生き生きしたコンテンツを提供する二重構造メール。試してみてはいかがだろうか。

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