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パケット定額ケータイ、何が流行る?

三田隆治
2004年4月28日 / 00:00
 
 
この6月から、 ついに NTTド コモの FOMA でもパケット定額制プラン「パケ・ホーダイ」が始まります

2003年11月に au が先鞭を付けたパケット定額制の「EZ フラット」に比べ、 パケ・ホーダイは FOMA 全機種で利用可能なので、 ユーザーにとっては、 「ハイエンドモデル」=「ヘビーユーザー」=「定額制がチョイスできてラッキー!」という、わかりやすい図式が成り立つことになります。

この「パケット使い放題ユーザー」は、 ケータイコンテンツサービスを手がける事業者にとっては、 もっとも「上得意のお客さま」と見ることができます(「ケータイビジネスにおける『2:8の法則』を参照)。

事実、まだユーザー数の少ない au の「EZ フラット」においても、 有料コンテンツの利用率は、 従量制ユーザーよりもかなり高いというデータも出ているようです。 特に今後、新しいサービスやコンテンツを引っさげて参入したい事業者は、 この「定額ユーザー層」にターゲットを絞り込んだコンピタンス戦術を取れば、 今後は飽和していくだろうケータイビジネスの中にあって、 確実に拡大していく分野にピタリとターゲットを絞る、 つまり「勝ち馬に乗る」ことができるでしょう。

ただし、広告収入型モデル、 あるいはユニバーサルインフラたることを志向する事業の場合は、 必ずしもこの限りではないことに注意が必要です。 特に広告モデルなどは「PV=売上」となる場合が多いため、 事業のアーリーステージでターゲットを極端に絞り込むと、 その後の拡大に勢いがつかなくなる危険性も否定できません。

◎従量制時代の「常識」にとらわれないサービスを

では、実際どのような分野が「定額ならでは」のサービスと言えるでしょうか?

「着うた」や「大容量ゲームアプリ」については、 これはもう当然有望だといえます。 また、動画コンテンツなども、 従量制で人気があったものなら、 定額制ではますます有望となるでしょう。 要するにこれらはコンテンツの持つ「力」次第であり、 従量 or 定額にはあまり関係ない話ともいえます。

さる企業の企画担当者によると、 「携帯キャリアにとって、定額ユーザーの存在は従量ユーザーとは逆で、 自社のパケット網をなるべく使わないでくれたほうが有利になる。 だから今後は、コンテンツのダウンロードのみ、 パソコンなど他のネットワークで行わせた上で、 認証だけをケータイで完了するようなモデルも出てくるだろう」と語っていました。

実際、そこまで徹底したパラダイムシフトが起こるかどうかは別として、 ケータイビジネスが定額ユーザーをターゲットにするようになると、 このように今までの従量制の常識とは、 かなり異なる発想も必要になってくるのではないでしょうか。

では、以下なるべくそうした「常識」にとらわれず、 有望だと思われるアイデアをいくつか挙げてみましょう。

●インスタントメッセンジャー(IM)

通常のケータイメールに比べ、 IM はパケット消費の点で従量制では不利でしたが、 定額ユーザーにとっては、 「リッチなコミュニケーション」として注目されるでしょう。

ただし残念ながら、 いま出ている携帯向け IM のほとんどは、 普及のための要件を満たしていません。 コミュニケーション系のサービスは、 「どれだけ多くの人とつながれるか?」が最重要ポイントなので、 同じ IM アプリを持っている人同士でないと使えないようでは、 コミュニケーションツールとしての価値がメールより低くなってしまいます。 最低限、メールにもそのままメッセージを送れる機能を持って、 単なるメール以上の何らかの「付加価値」を相手に伝えることができること、 さらには、 できれば PC 版の IM も同時に展開して、 「つながる相手の数」を最初から多くしておくことなどが、 今後ケータイ IM の成功条件となるでしょう。

●デコメールによるメールマガジン

以前ならば、わざわざクリックしてサイトに誘導していたメールマガジンも、 定額になれば、 何でも無造作に受信してそのまま画像を見ることもできます。 パソコンではウイルスに対する不安なども多い HTML メールも、 ケータイ定額ユーザーならば、 積極的に選ばれる可能性も高いと思われます。 たとえば通販サイトのメルマガであれば、 メールの画像サムネイルからそのままクリックして詳細を見るなども可能です。 FOMA のデコメールは最大容量が 10KB と少ないですが、 たとえば、サイトの特定のページを、 そのままメールで送信してしまえると考えれば、 必ずしも少ない容量ではないはずです。

●ネットワーク RPG など、通信機能搭載のゲーム

このあたりは、アプリを使うというだけでなく、 むしろ初期のケータイゲームによくあった、 ブラウザやメールを使うものが復活してくるような気がします。 アプリを使うと、バッテリの消耗や、 対戦相手が限定されてしまうことがむしろネックになってしまいます。 たとえば、3D ダンジョン RPG などは、 パケ代を気にしなくて済むならブラウザベースでも十分に実現可能なのですから、 今後は「ゲーム=アプリ」という固定概念に囚われず、 いろいろとチャレンジしてほしいところです。

●デジタルコンテンツの「中古販売」モデル

最近、電子出版やケータイ電子ブックアプリなど、 書籍販売をデジタル化するスキームなどが少しづつ注目を浴びつつありますが、 その大半は、 コンテンツホルダーから読者までの流通経路を単に電子化したに過ぎず、 「デジタルならではのダイナミズム」=「消費者にとっての魅力」があまりありません。

定額制になると、 コンテンツのダウンロードコスト (=消費者から見ての流通コスト負担)は意識されなくなるので、 いっそ、コンテンツを購入した消費者には、 オンラインで自由にコンテンツを中古販売する権利を与えて、 そこから著作権者が一定の利益を取るような、 一種の「逆アフェリエイト型」モデルなども有望だと思います。

ケータイなら、パソコンよりコンテンツを違法コピーされる不安が少ないうえに、 コンテンツの拡販にもつながりますし、 ユーザーは他人にコンテンツを売れば、 結果的に自分の出費も減るわけですから、 事業者、ユーザーともに win-win な関係を作ることはできるでしょう。

……そろそろ紙面も尽きましたが、 他にもまだまだ有望なものはありそうですね。 今後も引き続き、 定額ケータイ時代へのパラダイムシフトを注意深く見守って行きたいものです。

記事提供:三田隆治(モバイルジャーナリスト・プランナー)
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