オランダSquad Mobilityが「SQUAD」を発表しました。太陽光だけでの自動車通勤の実現を目指す、2シーターの小型シティーカーです。
ソーラーパネルは、現時点では発電量がそれほど多くはありません。このため、同様のコンセプトを持つ「SION」ではクルマのほぼ全面に計248枚ものソーラーパネルを装備して、太陽光だけでの自動車通勤実現を目指しています。
これに対し「SQUAD」では軽量化を徹底することで、発電量の少なさに対応。ボディは3面にパノラマウインドウを装備して軽量化と視界の良さを両立させています。またタイヤはボディ本体よりも外側にはみ出した構造。これがバンパーとしても機能することで、スチールや樹脂製のバンパーを不要にし、さらなる軽量化に貢献しています。
わずかな発電量でも走行できるように軽量化を徹底
軽量化により、欧州の夏の晴れた日であれば、ソーラーパネルが発電する電力だけで1日最大20kmの走行が可能に。欧州では通勤でクルマを使用する人の1日当たり平均走行距離が約12kmなので、太陽光だけでの自動車通勤が十分に可能になります。
とはいえ、欧州では冬の間日照時間が極端に短くなる地域も。そのような場所での利用や、通勤距離がもっと長い人向けにSquad Mobilityでは航続距離をのばせるポータブルバッテリーも用意しました。
さらにSquad Mobilityでは「SQUAD」をシェアリングサービスで利用することも想定。オプションでポータブルバッテリーを交換して走行するバッテリーウォールを用意します。
カーシェアリングでは便利
「SQUAD」の居住空間はとてもシンプルで、ゴルフカートのように頼りなく見えます。でも実際には、キャビンは全方向に設置されたロールケージにしっかりと守られています。
助手席ダッシュボードはそれなりの広さ。2個のカップホルダーのスマートフォンホルダーを装備したうえで、ノートPCを置くスペースを提供します。
ラゲッジスペースも一般のクルマに比べればわずか。それでもベビーカーを積載するスペースは確保されました。
「SQUAD」のスペックは2019年の発表時からは、かなり変更されています。それでも変わらないのは“駐車場を増やすことなく、都市部の駐車場不足問題を解決する”という同社が最も大事にしているコンセプト。1台分の駐車スペースに3台の「SQUAD」を駐車可能なサイズとしています。
Squad Mobilityは「SQUAD」の予約を公式Webサイトで受け付け中。価格は6,250ユーロからと2019年発表時からは若干高くなりましたが、それでも十分に低価格。「太陽光発電を利用したモビリティを誰もが利用できるようにする」という同社のもう一つのコンセプトを実現しています。