自転車で雪上・氷上を走るためのアイディアは以前から数多く公開されています。フロントホイールをスキー板に換装するというアイディアが最も多いのですが、その他にもスパイクの付いたタイヤカバーを装着するというものもあり、どちらも商品化されています。中にはタイヤに結束バンドを取り付けるという大胆かつ安上がりなアイディアも。これ、やってみるとかなり効果のある方法だとわかりますが、キャリパーブレーキが使えなくなってしまうのが欠点です。
キャリパーブレーキが使えないのが残念です
そんな中、サイエンスビデオを制作するThe Qは自転車のホイールを丸ノコに換装するためのハウツービデオを公開しています。ビデオの手順に従って自転車を改造すれば、愛車を氷上走行車にトランスフォームできます。
ノコギリの歯が氷をしっかり掴むので滑らずに走行できます
“自転車ホイールのサイズは27インチ程度。丸ノコにも同じくらいのサイズがある。ということは丸ノコはタイヤの代わりに使えるのでは?” The Qの動画では、丸ノコ自転車を思いついた理由について、そのようにほのめかされています。
換装手順はフロントホイールでは比較的シンプル。自転車のハブとディスクブレーキを丸ノコに装着して取り付けます。リアではスプロケットを装着するのがちょと大変そう…というか怪我しそうではあります。
丸ノコ、きらきらしてますね
こうして製造された丸ノコ自転車での一回目の試走は、The Qとしては珍しく失敗に終わります。氷上をさっそうと走行…するはずが、鋸が氷をがりがりと切断し始めてしまい、前進できなかったのです。その様子はサイクリストによる走行というよりは、製氷業者による氷の切り出し作業に近いかも?
The Qは丸ノコが一定の深さ以上に氷を削らないように、歯のひとつひとつにストッパーを装備。これで、丸ノコタイヤの沈み込みを防ぎ、前進できる自転車に仕上げました。
丸ノコ自転車に欠点があるとすれば、結束バンド自転車同様、キャリパーブレーキが利用できない点でしょう。もしかしたら利用できるのかもしれませんが、“真剣白刃取り”のような作業を毎回することになるキャリパーブレーキが、ちょっと可哀そうです。
走行の様子については以下のThe Qのビデオで確認してください。ビデオは4分55秒の走行シーンからスタートしますが、製造手順を知りたい人(いないとは思うのですが…)は、ビデオを最初から視聴することをおススメします。ちなみに丸ノコはAliExpressなどの通販サイトでは5,000円程度で販売されています。