廃プラスチックを原料に3Dプリンターで製造する電動バイク「ZUV」
(C)Studio Theresa Bentz

オーストリアのEOOS NEXTが電動バイク「ZUV(Zero-emissions Utility Vehicle)」のプロトタイプを開発しました。

スーパーマーケットで廃棄されたビニールのパッケージを原料として3Dプリンターで製造された電動バイク。現在製造されているバイクの多くはアジアで生産され、欧州や米国の消費者の元に届けられていますが、輸送時には多くの化石燃料が消費されています。“3Dプリンターを活用して購入者の近くでバイクを製造し、CO2排出を抑制する”。これがEOOS NEXTが「ZUV」で掲げるゴールです。


3Dプリンターはまた、製造コスト問題も解決します。欧州や米国では製造コストが高くなりがちですが、3Dプリンターを利用することで人件費を抑えて低コストでの生産が可能に。また、製造時の廃棄物も最小限にできます。

構造をできる限りシンプルにするため、ドライブユニットにはリアハブモーターを採用。チェーンなどが無いので製造工程もシンプルになります。

こうして製造された「ZUV」は子ども2人、または同じ程度の重量の荷物を載せて走行できます。


欧州では、3Dプリンターを利用したバイクやクルマのプロトタイプがすでに複数発表されています。例えば2019年12月にはドイツBigRepが、電気自動車のデザインプロトタイプ「Loci」を公表しました

3Dプリンターを利用して製造したBigRep「Loci」
3Dプリンターで製造したクルマのプロトタイプBigRep「Loci」

BigRepは3Dプリンターでクルマを製造することで、少量生産が容易となり、部品サプライヤーからの納品数や納期に自動車工場の稼働が左右されることもなくなり、完成車両を倉庫に眠らせたり、工場から離れた場所まで輸送したりといったムダがなくなるとしています。また、3Dデータを書き換えることで顧客の要求に簡単に応えられるようにもなるとしています。