子育て家庭に食品届ける「こども宅食」団体が緊急支援を実施
みまたん宅食どうぞ便

全国のこども宅食実施団体が緊急支援を行っている。

新型コロナウイルス感染拡大防止のための自粛要請が影響し、子どもに食事を提供する保育所、小学校、こども食堂などが次々と閉鎖。さらに、親の収入が減り、食費の捻出が厳しくなっている家庭が増え、「こども宅食」へのニーズが高まったことを受けた緊急支援。


こども宅食は2017年に東京都文京区ではじまった、生活の厳しい子育て家庭に定期的に食品を届ける取り組み。

佐賀県佐賀市

子育て家庭に食品届ける「こども宅食」団体が緊急支援を実施
とどけYELL(市民団体スマイルキッズ)

佐賀県佐賀市の「とどけYELL(市民団体スマイルキッズ)」は、月1回、ひとり親家庭に1戸3000円分の食品を提供する「こども宅食」を行っている。利用世帯は2020年3月現在で32世帯。

新型コロナ対応として、3月に佐賀県内の小学校などの臨時休校措置が発表となってから、通常の配送と別に、週2~3回、子どもだけが留守番する利用者宅へお菓子を配送する「見守り宅食」を開始した。

長崎県長崎市

子育て家庭に食品届ける「こども宅食」団体が緊急支援を実施
つなぐBANK~フード&グッズ~ (一般社団法人ひとり親家庭福祉会ながさき)

長崎県長崎市の「つなぐBANK~フード&グッズ~ (一般社団法人ひとり親家庭福祉会ながさき)」はフードバンク活動を行っている。坂の多い長崎では配送が難しい場所が多いため、2か月に1回程度、市内に「宅所」を設置し、食品、生活用品などを提供する。利用世帯は約100世帯。

新型コロナ対応として、小学校休校中でも運営する市内の学童158か所に、レゴジャパンから寄付のあったLEGOブロックを提供したほか、食料支援としてカップヌードル600個と農家から受け取った野菜を宅所で提供した。また新型コロナの影響で学校給食がなくなった五島市からパンの寄付を受け、学童保育8カ所に届けた。

宮崎県三股市

子育て家庭に食品届ける「こども宅食」団体が緊急支援を実施
みまたん宅食どうぞ便
(三股町内の社会福祉法人、ボランティア、三股町社会福祉協議会等)

宮崎県三股市の「みまたん宅食どうぞ便(三股町内の社会福祉法人、ボランティア、三股町社会福祉協議会等)」は月1回、生活困窮家庭に無料で食材を届けている。利用世帯は45世帯。食材を活かすレシピなども提供する。子育て経験のあるボランティアが相談を受けたり、就労支援・学習支援などの個別対応も行う。

新型コロナ対応として、食品を届けるボランティアの衛生管理を徹底し、活動を続けている。学校の休校が始まった3月上旬には、給食センターから譲り受けた野菜を配布した。

新潟県新潟市

子育て家庭に食品届ける「こども宅食」団体が緊急支援を実施
にいがたお米プロジェクト(新潟市のフードバンク、ボランティア、社会福祉協議会等)

新潟県新潟市の「にいがたお米プロジェクト(新潟市のフードバンク、ボランティア、社会福祉協議会等)」では地元のフードバンクから米の供給を受け、ボランティアと有志のメンバーで児童扶養手当の利用家庭120世帯に毎月無料でお米5kgを届けている。

新型コロナ対応として、市内の学童180か所に、レゴジャパンから寄附のあったLEGOブロックを提供したほか、一斉休校で余った給食用の食材を家庭や学童に配布し、JAと協力してお米を集め、ひとり親家庭に緊急食糧支援をしている。

なお、こども宅食応援団の活動資金は、ふるさと納税を用いたクラウドファンディングで集めている。返礼品の無いふるさと納税なので、その寄付金のすべてが事業に活用される。

【一般社団法人 こども宅食応援団】
「こども宅食」は2017年に東京都文京区ではじまった、生活の厳しい子育て家庭に定期的に食品を届ける取り組み。食品のお届けをきっかけにつながりをつくり、見守りながら、食品以外の様々な支援につなげていく。こども宅食応援団は、この「こども宅食」という仕組みを、文京区から日本中に広げていくため、こども宅食事業に取り組む自治体やNPO等に対して活動資金やノウハウの提供、事業推進のための伴走的な支援を実施。また、こども宅食事業や事業を通じて解決しようとしている社会課題の認知度拡大のための広報活動を実施。