富士フイルム PCR検査を大幅短縮する「SARS-CoV-2 RT-qPCR Detection kit」

富士フイルム傘下の富士フイルム和光純薬が販売する新型コロナウイルス用遺伝子検出キット「SARS-CoV-2 RT-qPCR Detection kit」が、公的医療保険適用となった。ウイルス感染の有無を調べるPCR検査に必要な時間を大幅に短縮できるのが特徴。

新型コロナウイルスの感染の有無を調べるPCR検査は手間と時間がかかる。(1)「検体の前処理」、(2)「RNA抽出」、(3)「RNAをDNAに転換する逆転写反応」、(4)「ターゲットとなるDNAの増幅をリアルタイムでモニタリングするリアルタイムPCR」といった複数の段階をこなす必要があるため。


富士フイルム和光純薬では既存の検出ノウハウ、技術を活用し、(3)と(4)を中心に効率化を進め、合計約90分時間を短縮できるキットを開発。4月15日に国内で販売を始めた。

さらに厚生労働省健康局結核感染症課と国立感染症研究所による発表で、公的医療保険の適用対象となった。

富士フイルム和光純薬は検査数の増加に対応するため、増産体制の強化に着手しており、7月には生産数量を5月の給数量の3倍となる月約5万検体に引き上げる方針。今回公的医療保険の適用対象となったことを受け、さらに前倒しを検討している。これにより検査の迅速化に貢献する考え。