事務用品や福祉・医療機器を手掛ける長野県の企業タカノは、医療従事者向けの「フルフェイスシールド」の無償提供を始めた。大阪大学大学院医学系研究科に協力した取り組み。

タカノは大阪大が公開したデータをもとに3Dプリンターでフレームを製作した。これに身近にある文房具「クリアファイル」を取り付けることで、医療従事者を飛沫や接触による新型コロナウイルスの感染から守る「フェイスシールド」が完成する。



すでにフェイスシールドのフレームは医療機関への提供が始まっている。タカノは今後も大阪大学などと連携して各地へ届ける予定。ひとつでも多くフレームを製作し、医療現場に供給することで、医療従事者と患者の役に立てる狙い。

タカノは東京証券取引所1部に上場するメーカーで、コクヨグループなどと資本関係を持つ。オフィスチェアや医療用の車いすなど幅広い製品を手掛け、長野県に複数の工場と技術者を抱える。

ただし大阪大の公開しているデータは、3Dプリンターさえあれば誰でも製造できる。一般的に入手しやすい「FDM」と呼ばれる方式のプリンターが推奨で、サイズは175×175mm以上の造形テーブルがあり、「ABS」「PLA」と呼ばれる一般的な樹脂材料で生産できる。詳細については「大阪大学大学院医学系研究科 次世代内視鏡治療学共同研究講座（プロジェクトENGINE）」のWebサイトで確認できる。