天皇即位記念蒔絵万年筆「鳳凰(ほうおう)」

天皇即位記念蒔絵万年筆「鳳凰(ほうおう)」をパイロットコーポレーションが5月24日に限定800本発売する。希望小売価格は15万円(税別)。

パイロットは過去にも天皇即位記念万年筆を販売してきたが、今回もこれまでと同様に中国神話の伝説の霊鳥「鳳凰」をモチーフとした蒔絵万年筆を取り扱う。


天皇即位記念蒔絵万年筆「鳳凰(ほうおう)」

なお、製作は1931年に結成したパイロット所属の漆芸作家グループである「國光會」が担う。これは1926年に人間国宝であり蒔絵の最高権威の松田権六氏を招聘し、社内外の蒔絵師80人を組織して立ち上げたもので、現在もその技術を引き継いだ作家が参加している。

新たな万年筆ではキャップ、軸に蝋色漆仕上げをし、研出高蒔絵で仕上げている。キャップには「梓」の花を描き、クリップには公家の装束や調度などに使われてきた伝統文様「有職文」の一つである「菱文」を施してある。1つの菱を中心に水紋が広がっていくようすを描き、永遠を表現している。

ペン先は18金、字幅は細字、中字、太字が揃えてある。桐の専用箱は正八角形で、令和の時代が末広がりに発展するように願いを込めた意匠で、即位の礼に使用される玉座「高御座(たかみくら)」にちなんだもの。

専用箱には、万年筆のほか、シリアルプレートとインキが同梱してあり、インキ瓶のキャップにも梓の図案、それに新元号の「令和」と改元日である2019年5月1日の文字を印刷してある。