チケットキャンプのイメージ

コンサートチケットなどを一般人同士で売買できる場として知られる「チケットキャンプ」が完全終了する。すでに一時停止の状態で、閉鎖のうわさも流れていたが、正式発表となった。ただし従来利用してきた人に対応するため2018年5月末まで一部機能と窓口は維持する。

チケットキャンプを運営するフンザは、ソーシャルゲーム「モンスターストライク」の運営で知られるmixi(ミクシィ)が2015年に115億円で買収した企業。「Jジャニーズ通信」「宝塚歌劇倶楽部 Takarazuka Revue Club」など人気アーティストなどの情報をまとめて掲載するメディアも一緒に運営してきた。


しかし商標法違反と正競争防止法違反の疑いで当局の捜査を受け、2017年12月初旬にチケットキャンプと関連するメディアを停止。親会社のミクシィが調査委員会を設置して事実確認や原因究明を進めた。

その結果、フンザの事業が法律違反の疑念を生じさせるものだったことは否定できず、また事業の運営を続けることへのリスクも高まっている、との報告があった。ネット上でのチケット高額転売は道義的、社会的に強い非難を受け、また転売目的の購入に司法が刑事罰を科す状況で、チケットの2次流通に関する法整備の動きも出ている。

かくしてチケットキャンプの終了が決まったが、その仕組みを生かし転売で収益を上げていた事業者が、次に主な活動の場をどこへ移すのかに関心が集まっている。

ぴあが立ち上げたチケットキャンプの競合「チケトレ」は音楽業界公認をうたっているが、手数料に不満の声も出ており、また性質上、組織的な高額転売などで大きな収益を上げるのに向かない。

ほかに有名どころでは「チケット流通センター」「チケットストリート」「チケットレンジャー」などがあり、また「メルカリ」や「ヤフオク!」といった大手のフリマ、オークションアプリケーションでも、チケットは以前から流通している。ちなみにチケット流通センターは、チケットキャンプが一時停止になった12月初旬、アクセス集中により一時接続できない状況になるなど、売り手や買い手が移行先として検討したきざしが見られる。

いずれかがチケットキャンプの受け皿としてほかに勝利を収めれば、転売事業者が結集し、チケットの流通量増大や価格上昇が進む可能性がある。ただしミクシィの調査委員会が指摘した通り、この分野のリスクは高まっており、チケット売買の場を運営する各社が事業を続けるためには新たな対策の導入は避け得ない。