アルファ碁ゼロのイメージ

人工知能(AI)技術を応用して囲碁を打つ「AlphaGo」の改良版「AlphaGo Zero」が発表になった。過去に人間の棋士の打ち方を学ばず、自分で発見、考案した手法だけで最強の存在になった。

AlphaGoは、Google傘下でAI研究を手掛ける企業DeepMindが開発した。世界1位の評判を持つ人間の棋士、柯潔氏を破り、最強の名を得た。ただしそれ以前に、碁の打ち方を学ぶために何千ものアマチュア、それにプロの棋士、既存の囲碁ソフトなどと試合をしている。


改良版であるAlphaGo Zeroはそうはせず、自分自身だけを相手に完全に無作為に碁を打って学習し、40日間で柯潔を倒した従来版のAlphaGoに勝利するまでに強くなった。これは「強化学習」という新たな技術を採用することで可能になった。

「もはや人間の知識の限界に制約されていない」とDeepMindは説明している。

なおAlphaGo Zeroの開発でつちかった技術は、人類社会のために役立つ新たな知識の発見に生かす考えだ。タンパク質の折りたたみ、エネルギー消費の削減、革新的な新素材の探索など、囲碁以外の構造化された問題にも応用したいとしている。