「Embr Wave」は腕にはめて使うデジタルツール。その人にとって少し寒い、または少し暑い部屋にいるときにも、利用者が快適と感じられるようにしてくれる。米国マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology:MIT)出身の科学者たちによるチームEmbr Labsが設計した。
Embr Labsによれば、人間は体の一部を温めたり冷やしたりすれば、体温自体がそれほど変化しなくても快適と感じられるのだという。例えば寒い日に暖かいコーヒーの入ったマグカップを手に持てばそれだけでほっとしたり、暑い日に足先をプールにつければ気持ちが楽になるといった現象がこれにあたる。日本での足湯やコタツなども、この原理を応用したものといえるかもしれない。
とはいえ、マグカップはともかく、オフィスにプールや足湯やコタツを持ち込むわけにはいかない。「Embr Wave」は持ち運べないプールやコタツのかわりになるもの。上述の原理をいつでもどこでも活用して、快適に過ごすためのツールとして開発された。
寒いと感じた場合、「Embr Wave」の右隅をクリックする。すると「Embr Wave」は熱を放出し、装着者の手首を温める。装着者の体温はそれほど変化しないが、手首が暖まることで、それまでよりも快適に感じられるという仕組みだ。
暑いと感じたときには「Embr Wave」の左隅をクリック。装着者は冷たい氷を手首に押し当てられたように感じ、快適さを得られる。
気持ちいい!
Embr Labsは「Embr Wave」の利用に適したシーンとして、寒がりの人と暑がりの人が混在したオフィスをあげている。また、飛行機や映画館の中でも便利だそうだ。
座っている人は寒いと感じがち
反対に利用に適さないシーンとして、寒すぎる、または暑すぎる環境をあげている。例えば気温29度を超えているような場所では、「Embr Wave」を使用しても効果は期待できないそうだ。あくまでも、人間の活動に適した気温の場所で、快適性を少しあげるのが「Embr Wave」ということのようだ。
Embr Labsは「Embr Wave」の、来年夏の出荷開始を目指している。価格は300ドル程度となる見込み。