百年駅弁のイメージ
秋田県関根屋の<復刻版>牛めし

日本各地の鉄道駅で買える個性豊かな弁当「駅弁」。そのNo.1を選ぶイベント「駅弁味の陣2017」を、JR東日本が10~11月に開催する。100年以上前に発売した駅弁が参加しているのが目を引く。

駅弁の歴史は、一説によると1885年にさかのぼる。当時日本初の私鉄である日本鉄道が延伸し、宇都宮駅が開業したことにより車内での食事が認められた。そこで宇都宮の旅館・白木屋が梅干し入りごま汐握り飯2つにタクアンを添え竹皮に包んで発売した「汽車辨當(きしゃえきべん)」が始まりで、その後1889年には姫路駅で初めて幕の内弁当が発売するなど、全国に広まっていった。


実に132年の歴史を持つ駅弁。今回のイベントはJR東日本の駅弁63種類が参加し、うち1世紀あまりの歴史を持つ「百年駅弁」が合計6種類を占める。

まず秋田県は関根屋の「<復刻版>牛めし」。明治45年(1912年)に発売したロングセラーの駅弁で、今回は40年前の掛け紙、おかずを再現している。価格は1,000円(税込、以下同じ)で、主な販売駅は秋田駅だ。

百年駅弁のイメージ
群馬県は荻野屋の「御寿司」

続いては群馬県は荻野屋の「御寿司」。明治30年代(1897~1906年)に発売したいなりや巻きずしの詰め合わせで、当時のなつかしい掛け紙を復刻している。価格は800円で、主な販売駅は横川駅、高崎駅、軽井沢駅。

百年駅弁のイメージ
栃木県は松廻家の「復刻 おにぎり弁当」

また栃木県は松廼家の「復刻 おにぎり弁当」は駅弁発祥のおにぎりを想起させる内容。今回のイベントに合わせてアレンジを加えて復刻した。価格は500円で、主な販売駅は宇都宮駅。

百年駅弁のイメージ
神奈川県は東華軒の「復刻版 御鯛飯」

さらに神奈川県は東華軒の「復刻版 御鯛飯」は、明治40年(1907年)ごろに発売した弁当。大正時代初期の掛け紙を復刻している。主な販売駅は熱海駅・小田原駅。

百年駅弁のイメージ
神奈川県は大船軒の「伝承鯵の押寿し」

神奈川県からは大船軒の「伝承鯵の押寿し」も参加している。大正2年(1913年)に発売した鎌倉の名物駅弁。大正7年(1918年)の掛け紙を再現した復刻版となっている。価格は1,250円で、主な販売駅は大船駅と鎌倉駅。

百年駅弁のイメージ
大船軒の「大船軒サンドヰッチ」

同じ大船軒の「大船軒サンドヰッチ」は明治32年発売。ハイカラな駅弁で、価格は530円。大船駅、鎌倉駅、それに小田原駅が主な販売駅だ。

このほかJR東日本では、多くの駅弁を集めた催事も行う。東京都内では上野駅の「エキュート上野」で10月14、15日、品川駅の「エキュート品川」で11月1~23日に実施する予定。

イベントではハガキまたはWebサイトによる投票で最も評価の高い駅弁を「駅弁大将軍」として決定するほか、百年駅弁に焦点をあてた賞もある。詳細は特設サイトで確認されたい。