ファイト一発のイメージ

大正製薬は、栄養ドリンク「リポビタンD」のCMで有名な「ファイトー、イッパーツ! 」の暑苦しいかけ声を無限に聞けるボタンを公式サイトに設置。1週間あまりで多くの人が訪れ、合計250万回近く押している。


リポビタンDといえば、けわしい山の崖をのぼる2人の青年が、滑落の危機に陥り、例のかけ声とともに気合を発し、懸命に助け合う力強いCMが有名。昭和の時代から続いてきたものだが、最近になって路線を転換した。危機が迫る中で「ファイトー、イッパーツ! 」と絶叫するのは時代錯誤だという厳しい声が多数あったためという。


新CMは従来のように本物の山でなはなく、屋内などに崖を人工的に再現して登る「ボルダリング」が舞台。過去のCMに出演したアクション俳優のケイン・コスギ氏が女性プロクライマーの大場美和選手とともに挑む。危機が訪れた際、コスギ氏が手を差し伸べ「ファイト―!」と叫ぶところまでは同じだが、大場選手は「イッパーツ!」とは応えず、軽やかに自力で体勢を立て直してしまう。

まさに「ファイト不発」といったところ。TwitterなどではこれまでのCMの定番の流れがくつがえっておおいに笑ったという人が多い。一方で元気な「ファイトー、イッパーツ!」が聞けないのを残念に思うとの声もあった。

そこで、大正製薬では今度は、押すだけで時代錯誤で暑苦しいかけ声を天高く叫ぶボタンを公式サイトに設置した。あのなつかしい響きが忘れられない人にはちょっとうれしいはからいだ。