MERYのロゴイメージ

ディー・エヌ・エー(DeNA)は、「新しいMERY」の誕生を目指すと発表した。MERYは過去にインターネット上のさまざまな情報を集めて紹介するキュレーションメディアとして流行したが、著作権問題などから非公開状態になったもの。小学館と協力する。

小学館とDeNAが共同で出資し、女性向けファッション情報を中心とするメディアを運営する新会社としてMERYを設立する。この新会社では記事掲載に至るまでの作成、編集、校閲などのノウハウを小学館が、システム構築やインタ―ネット上のマーケティングなどはDeNAがそれぞれ持ち味を生かす。


従来のMERYにおける運営体制を抜本的に刷新し、すべての記事を新たな手続きにのっとって作成するそう。新MERYでは、非公開化前のMERYの記事は一切使わないとか。このほか小学館のメディアに対するアドバイザリーや分析なども行う。

なお非公開化前のMERYで生じた諸問題については、引き続き従来の運営会社ペロリが対応するという。

MERYをはじめとするキュレーションメディアは分かりやすく、面白く、また検索エンジン最適化(SEO)という技術に優れ、一時はGoogle(グーグル)やYahoo! Japan(ヤフー)で調べものをしようとすると、画面をうめつくさんばかりの勢いであらわれた。

その後、著作権上の問題などが見つかり、MERYを含め一部は閉鎖にいたり、またGoogleなどもあまり過剰にキュレーションメディアばかりが検索結果に出ないよう対策を施すなどの一幕もあった。

とはいえ、人気の高さには新たな読者の獲得をめざす大手出版社も注目しており、6月には講談社とデジタルガレージが似た特徴を持つ「HOLICS」を立ち上げている。ただしネット上から広く情報を集める従来のキュレーションメディアと異なり、講談社の出している雑誌の記事など著作権上の問題がない情報を再編する方式をとっている。

HOLICSのイメージ

新MERYはどのような方式を選ぶのか興味深いところ。また今後も出版社が参加するかたちで、キュレーションメディアのような取り組みはさらに続くだろうか。