前輪駆動の電動アシスト自転車「ElBike

「ElBike」は、前輪にハブモーターを搭載した電動アシスト自転車。ドイツミュンヘンで2010年からカスタム自転車のショップを営むMike Glaser氏が開発した。

前輪駆動の電動アシスト自転車「ElBike
前後輪駆動の電動アシスト自転車「ElBike」

Mike Glaser氏は、欧州で市場規模を拡大している電動アシスト自転車の販売に2016年頃から関心を持つようになった。だが、市場に出回る商品の多くは価格が高いか、デザインが美しくない。自分のショップで販売するからには、低価格で美しいデザインを持つものにしたい。そう考えたMike Glaser氏が開発した電動アシスト自転車が「ElBike」というわけだ。


「ElBike」は、変速機を持たないシングルスピード。このシンプルな構造が、低価格を実現した一つの要因だという。ドライブユニットはハブ内蔵タイプ。自転車ライト用のダイナモ程度のサイズのこのモーターと、ダウンチューブに隠されたバッテリーが、電動アシストに見えないシンプルなデザインを実現した。

前輪駆動の電動アシスト自転車「ElBike
ハブモーターとダウンチューブに隠されたモーターが
 電動アシストに見えないルックスの秘密

最大の特徴はフロントハブモーター採用による前輪駆動システム。ペダルパワーを受ける後輪と合わせて、前後輪駆動ともいえるこのシステムは、比較的坂道に強い。

前輪駆動の電動アシスト自転車「ElBike
モーターは最近流行のリアハブではなく
フロントハブタイプ

最近欧州で人気の低価格な電動アシスト自転車には、後輪にバッテリーを組み込んだハブモーターが取り付けられているものが多い。そのようなモデルでは重量がボディの後ろに集中し過ぎているために、坂道をのぼる際に前輪が浮くことがある。特に、坂道の途中でいったん止まり、再発進するようなケースでは、ウィリー状態になることも。

だが、「ElBike」はバッテリーやモーターなど、比較的重量のあるパーツが前方にあるため、登坂時にはウィリー状態になる可能性が少なく、坂道を上りやすいというメリットがある。

前輪駆動の電動アシスト自転車「ElBike
一方で、ハンドル操作が時にトリッキーになる
などのデメリットもある

電動アシスト自転車はバッテリーが切れてしまったあとは、単なる重い自転車と化す。それを引いて坂道をのぼるのは、ちょっとした修行だ。だが「ElBike」の重さは電動アシストとしては軽い15キロを実現している。一般的な自転車とあまり変わらないので、アシストなしでの走行も、引いて歩くのも比較的容易だ。

欧州の規制に合わせモーターによるアシストは時速25キロでストップする。バッテリーは約50キロのアシストが可能だ。フル充電に必要な時間は約6時間。電動アシストに見えない電動アシストにしては珍しく、バッテリーは取り外しが可能で、取り外してオフィス内や部屋内で充電可能だ。

前輪駆動の電動アシスト自転車「ElBike
電動アシストに見えない電動アシストにしては珍しく、バッテリーが取り外し可能

前輪駆動の電動アシスト自転車「ElBike
オフィスや自宅で手軽に充電できる

カスタムショップが作った自転車だけに、「ElBike」もカスタマイズが可能。ボディサイズは3種類から、ボディカラーは200色以上から選択できる。

前輪駆動の電動アシスト自転車「ElBike」
フレームカラーはもちろん、リムのカラーなども選べる

価格は1,750ユーロ程度。出荷は2018年の2月頃に予定されている。

インターネットコムではMike Glaser氏に対し日本仕様車の販売予定について尋ねたところ、将来的には「ElBike」の販売対象国を拡大する予定があり、それにはもちろん日本も含まれるという回答を得た。Mike Glaser氏は日本で「ElBike」が電動アシスト自転車として認められるための条件などについて情報収集を開始しているという。欧州や米国などで「ElBike」が成功したのち、日本仕様車にも取り掛かる予定。ただし、時期については未定とのことだった。

前輪駆動の電動アシスト自転車「ElBike」