「VoltyCo」は大量の荷物を運べる電動アシスト自転車。ウクライナの首都キエフに本拠を置くVoltyCoが開発した。


欧米では、持続可能な社会に向けてクルマを捨て、自転車に乗り換える人が増えている。だが週末に食料品をまとめ買いする人などにとっては、クルマがないと困ることも多い。また、日本とは異なり、家具や家電なども自分で持ち帰らなければならないケースも。




「VoltyCo」はそのような人たちが、クルマの代わりに使用できるように設計された自転車。耐荷重が150キロに設定されているのが特徴だ。


一般的な自転車の耐荷重は90～125キロ。それよりも60～25キロも重い荷物を載せられることになる。一般的な日本人男性の平均体重は65～70キロ程度なので、「VoltyCo」であれば80キロ程度の荷物を運搬できるというわけだ。例えば、体重70キロの人であれば、20キロのお米4袋を搭載して走れる。


重い荷物を搭載して段差を超えるといったケースも想定し、大型のサスペンションが採用された。


「VoltyCo」の電動アシスト機能は、そのように重い荷物を運ぶ際に便利なように設計されたもの。このため、速く走ることよりも、長時間アシストすることに重点が置かれている。バッテリーを満充電すれば、最長で60キロまでのアシストが可能だ。満充電に必要な時間は2時間で、30分でも約70％までの充電ができる。


趣味で乗るのではなく、通勤や週末の大量買いにぴったりな道具としてデザインされている。この目的に合わない部品はほぼすべて排除され、信頼性の高いパーツで構成された、ミニマルなデザインとなった。また、経年劣化の激しいプラスティック製の部品も極力排除され、パーツ交換などのメンテナンスの手間を最小限に抑えられるようにしてある。


さて、日本では電動アシスト自転車のアシストパワーは、走行速度が上がるほど弱まり、時速24キロ以上ではゼロになる、と定められている。海外自転車メーカーの多くはこの要求を満たすことができず、日本市場参入をあきらめているところも多い。

VoltyCoはどうだろうか？インターネットコムの取材に対しVoltyCoのRoman Antonovさんは、日本向けに出荷する自転車については、250Wモーターを搭載した「VoltyCo Eco」の仕様を日本の規制に合わせて修正したものになると回答した。

「For those who will buy our bike on Indiegogo and order shipping to Japan, we will make changes in electronics to meet the legislative requirements of your country.」

VoltyCoは現在、クラウドファンディングサイトIndeigogoで出資者募集のキャンペーンを実施中。本稿執筆時点では、849ドルの出資＋送料で「VoltyCo Eco」を1台入手可能だ。入手に必要な金額はキャンペーンが進むにつれて上昇し、終了後の市販価格は1,999ドルになる。出荷は2017年8月に予定されている。


Roman Antonovさんは、「VoltyCo」はうまく活用すれば買い物や通勤のほか、ピクニックやキャンプなどでも活用できると述べている。市販価格1,999ドルは高いと感じるかもしれないが、クルマのかわりにある程度利用できるのであれば、悪くないのかもしれない。