壁に貼りつくような薄型テレビ
壁に貼りつくようなデザイン

壁に貼りつくようなデザインの薄型の有機ELテレビ「LG OLED TV(エルジー・オーレッド・テレビ)」2017年モデルを、LG エレクトロニクス・ジャパンが4月上旬に発売する。

2015年に画面が内向きに反った曲面テレビを投入して話題になったシリーズ。今回は薄さを前面に打ち出し、最上位モデルに専用ブラケットのみで壁に貼りつくようなデザイン「Picture-on-Wall(ピクチャー・オン・ウォール)」を採用した。壁からテレビの表面までの厚さが約3.9mmという仕様。解像度は3,840×2,160ドット。視野角は178度。


OLEDテレビのイメージ
薄さが特徴だ

有機ELは自ら発光するため、液晶と異なり背後に「バックライト」と呼ぶ光源を組み込まなくて済み、薄型にしやすい、という長所を生かす試み。

ただし付属の「コンパニオンボックス」という機器をそばに置き、専用ケーブルで接続する必要がある。いくら画面を極薄にできても、どこかに電子部品を入れる場所はなければいけないようだ。

OLEDテレビのイメージ
下に見えるのがコンパニオンボックス

OLEDテレビのイメージ
確かに画面は薄い

これに加え従来機種からの改良点としてピーク輝度を25%向上した。また輝度処理も改善している。完全に真白な画面を100%として考えた場合、我々が普段見る映画やテレビ番組などは明るい部分が50%以下のものが約9割を占めるというが、そうした映像について、よりコントラストを鮮明に表示できるようになった。

輝度向上のイメージ
従来機種より輝度処理を改善した

色再現性は従来機種の約6倍で、4K、8K放送で採用する色域規格「BT.2020」もほぼ対応できるそう。各種HDR規格に対応する独自技術を採用し、「ドルビービジョン」や「HDR10」に準拠した動画の輝度と明暗比を高めて再生するという。今後「HLG」規格にも対応予定。

このほか音響に関してはコンパニオンボックスに上方向の音に特化した2基のハイトスピーカーを搭載。電源を入れると内部からあらわれるようになっている。音を天井で反射させ、頭上から聞こえるような効果を出せる。

スピーカー装置のイメージ
天井に音を反射させるため上向きのスピーカーがついている

インターフェイスはHDMI入力4つに、コンポーネント/ビデオ入力、ヘッドホン出力、光デジタル音声出力がそれぞれ1つ。USB3.0が1つとUSB2.0が2つ、Wi-Fiと有線LANも使える。

制御をになう頭脳である基本システム(OS)には「webOS 3.5」を搭載。かつてPalmが開発し、HPが引き継ぎ、今LGの手にあり、なお製品に採用し続けているのは感慨深い。

webOS 3.5のイメージ
どっこい生きてるwebOS。バージョンは3.5になった

テレビをインターネットと接続すると、画面上のアイコンを選ぶだけで見ている番組に関連したWebサイトや、YouTubeの動画が探せる。各種アプリも利用でき、お気に入りに登録してリモコンからすぐ呼び出せる。音声検索も可能。

webOSの機能イメージ
番組に関連した動画を検索したり

webOSの機能イメージ
音楽を再生したり

映像の一部を最大500%まで拡大でき、拡大した状態で録画も可能。音楽を聴いたり、パノラマ写真や動画を見たりといった使い方もできる。手持ちのスマートフォンとBluetoothでペアリングし、スマートフォンのアプリをテレビで使える。

オープン価格だが予想実勢は、65型の最上位モデル「OLED 65W7P」が100万円前後。

ほかに65型でガラス製バックカバーの上に壁紙のように画面を一体化させた「Picture on Glass(ピクチャー・オン・グラス)」デザインの「OLED 65E7P」が80万円前後。

ピクチャー・オン・グラス
「ピクチャー・オン・グラス」デザインのOLED 65E7P

最薄部4.6mmで、横から見ると刃のように見える「Blade Slim(ブレード・スリム)」デザインで65型の「OLED 65C7P」が70万円前後。

ブレード・スリムデザイン
「ブレード・スリム」デザインで65型の「OLED 65C7P」

またブレード・スリムデザインで55型の「OLED 55C7P」が50万円前後となっている。