アップルパークのイメージ

iPhoneなどの開発元であるApple(アップル)が建設している宇宙船に似た新社屋「Apple Park(アップルパーク)」が完成に近づいている。従業員の移転を4月から始めると正式発表があった。ただし約1万2,000人いるため、6カ月以上かかる見込み。なお社屋と敷地内の建設工事も一部並行し、今夏いっぱい続くそう。

アップルパークは創業者である故Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ)氏が構想した新社屋で、米国カリフォルニア州のサンタクララバレー中心部に広さ約21万坪(0.7平方キロメートル)の土地を確保している。豊かな緑の中に円環状をした8万坪弱(0.26平方キロメートル)の社屋をしつらえ、世界最大規模の曲面ガラスですっぽりと覆う。アップル製品と共通するデザイン理念で設計、施工、建設に取り組んできたという。


アップルパークのイメージ

ジョブズに敬意を表して、アップルパーク内の最も高い丘には「Steve Jobs Theater(スティーブ・ジョブズ・シアター)」を設ける。2017年後半に完成し、席数は1,000。入口は高さが6メートル、直径50メートルのガラス製の円柱がメタリックカーボンファイバー製の屋根を支える構造だ。

スティーブジョブズシアター

アップルの最高経営責任者(CEO)Tim Cock(ティム・クック)氏は、アップルパーク内の建物を「世界で最もエネルギー効率に優れたもののひとつ」とし「完全に再生可能エネルギーだけで運営する」としている。 屋上部分に17メガワット分のソーラーパネルを取り付けるほか、自然換気構造により、1年のうち9カ月間は暖房も冷房も不要になると見込む。

アップルパークの太陽光パネル

iPhoneなど最新の製品が買える「Apple Store(アップルストア)」や、従業員以外も利用できるカフェ併設のビジターセンター、約2,810坪(約9,300平方メートル)規模の従業員向けフィットネスセンター、セキュリティ管理のゆきとどいた研究開発施設などもある。緑地部分には、従業員用として各2マイルの長さにおよぶウォーキングおよびランニングコース、果樹園、草地、人工池も整備する。