パナソニックの卓上ロボット
「ピコ」と名乗る

タマゴそっくりのロボットが小さな女の子の声で話しかけてきたら、かわいいと思うだろうか、笑ってしまうだろうか。パナソニックが開発した「ピコ」はまさにそんな装置だ。

タマゴ型のロボット
見ためは完全にタマゴ

正式名称はPanasonic Desktop Companion Robot。コンセプトは「常に人に寄り添い、触れたり、話しかけたくなるロボット」だそう。


パナソニック製ではあるが、北米のデザイン戦略室という組織が手掛けたもので、目下対応言語は英語のみとなっている。


紹介動画を視聴すると、声はとても可愛らしく、ちょっとませた話し方をする小さな女の子のようだ。「私、とてもたくさんのことができます。映画を投影したり、ゲームを遊んだり…」と自慢げな口ぶりを聞いているうち、家電としての実用性はピンと来なくとも、なんとなく親しみは抱く。

足のかわりに備えた車輪でちょこまかと卓上を走りまわるようすも愛嬌がある。人のようなスムーズな動きを実現するサーボ制御技術や、学習機能などを搭載しているそう。内蔵カメラや赤外線センサーで周囲の状況も把握する。

車輪つきで走りまわるロボット
車輪を備えて、卓上を自在に走り回る

さらに人工知能(AI)技術も採用しており、自然でストレスの少ない対話が可能だという。

でもいったい小さな姿のどこにAI技術を利用できるだけのコンピューターを積んでいるのだろうか、と思いきや実はWi-Fiを使って「クラウド」と呼ぶインターネット上の場所からさまざまな支援を得られるのだそう。遠隔地にいる人と話をすることも可能だ。

ところでタマゴ型の胴体は割れて開き、中からぱっちり大きな目のようなものが登場するが、これはプロジェクターの機能がある。

目玉のようなプロジェクター
目のようなかたちをしているのはプロジェクター

なにもないテーブルの上などにさまざまな映像を投影できるようになっている。解像度はWVGA+(854×480ドット)、明るさは50ルーメン。

映像を投影するロボット
なにもないテーブルなどに映像を投影できる

ロボットの大きさは直径最大290mm、高さ最大485mm。だいたい家庭用のミキサーぐらいだそう。重さは3.7kg。容量6,600mAhのバッテリーを搭載していて、フル充電から6時間連続で動作する。なお、あくまで今後実用化を目指す技術の見本のため、価格などは決まっていない。