この世界の片隅にのイメージ
クラウドファンディングは大成功を収めた(出典:「この世界の片隅に」製作委員会)

広島県を舞台に、戦争と暮らしを描いたアニメ映画「この世界の片隅に」。インターネット上での注目から、クラウドファンディングは活況を呈している。海外上映に監督の片渕須直氏を送り出す企画は支援募集開始から半日を経ず目標額を達成し、支援人数に上限を設定した。

この世界の片隅に、の原作は「夕凪の街 桜の国」「ぼおるぺん古事記」などで知られる漫画家こうの史代氏によるもの。文化庁メディア芸術祭では優秀賞を受賞している。


物語は広島の呉市で生きる女性を主人公に、戦争を背景にしつつ当時の日常を活写して多くの人を惹きつけている。

内容に加え、資金調達方法なども関心を集めている。2015年にはクラウドファンディングサイト「Makuake」で制作費などの支援を募り、目標額の2,160万円を大きく超える3,912万1,920円を集めて大成功を収めた。

また2016年11月22日にはMakuakeで新たな支援募集を開始。海外上映を盛り上げるため、配給先の英国、フランス、ドイツ、メキシコ、米国など15カ国に監督の片渕氏が渡航して観客と交流する費用などの支援を呼びかけたところ、わずか11時間で目標額の1,080万円を達成した。

そのため募集自体は当初の予定どおり2017年1月30日まで継続するが、支援者の人数に上限を設定した。

なお、目標額を超えて集まった分の支援は、海外渡航の「報告会イベント」の開催場所、回数を当初より増やすことに充てるという。