走る“オール電化”オフィス、日産の「e-NV200 WORKSPACe」

日産は英国に本拠を置くデザインワークショップStudio Hardieと協働して電気自動車「e-NV200」を改造し、世界初の“オール電化”モバイルオフィス「e-NV200 WORKSPACe」として公開した。

走る“オール電化”オフィス、日産の「e-NV200 WORKSPACe」
電気自動車「e-NV200」を改造したモバイルオフィス「e-NV200 WORKSPACe」

モバイルオフィスを謳うだけのことはあり、一般的なオフィスに装備されているOA機器はそれなりに揃えられている。折り畳み式デスクにはタッチスクリーンPCが用意されているし、無線LAN、スマートフォン充電器なども利用可能だ。冷蔵庫やコーヒーマシンなど、業務をするうえで欠かせない(?)器具も備え付けられた。

走る“オール電化”オフィス、日産の「e-NV200 WORKSPACe」
デスクには、筆記具などが落ちない工夫も

走る“オール電化”オフィス、日産の「e-NV200 WORKSPACe」
コーヒーブレイクもできる
…デスクとコーヒーメーカーは、ちょっと近すぎ?
これだとカフェ気分になるかも?

日産が「e-NV200 WORKSPACe」を公開した理由は、単に「e-NV200」のカスタマイズ製の高さをアピールするためではないという。そうではなく、将来に向けた新しいワーキングスタイルを提案する目的があるそうだ。

日産の公開した報道資料によれば、事務所スペースや会議室を複数の企業やフリーランサーが共有する「コワーキング」や、職場内で複数の社員が1つの机やコンピューターを共有する「ホットデスキング」といった新しい働き方は、2015年の一年間で36%増加したという。

都心部に企業がオフィスを構え、社員は郊外の家からそこに通勤するというこれまでの働き方は、オフィスの賃料や交通費がかかり過ぎてしまう。そしてこれが、新しい働き方が増加している理由の1つだそうだ。であれば、電気自動車をオフィスにしてしまい、充電スポットを活用しながら仕事をこなせば、職種によっては「ホットデスキング」よりもさらに効率のよい働き方ができるのではないか?これが「e-NV200 WORKSPACe」の提案するワーキングスタイルだ。

走る“オール電化”オフィス、日産の「e-NV200 WORKSPACe」
充電スポットがあれば、そこが、職場

クライアントに出向くケースの多い仕事では、職場としての“オフィス”と移動のための“クルマ”の両方を維持する必要があるが、これはどうしても無駄が生じてしまう。だが電気自動車という“クルマ”を“オフィス”にしてしまえば、仕事も移動も1台ですべてできる。おそらく、これが日産の主張の一つだろう。そううまくいくのかどうかはわからないが、興味深い考えだ。

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電気自動車は、“オフィス”であり

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“クルマ”でもある

さて、「e-NV200 WORKSPACe」の素晴らしさは、この“オフィス”からの移動手段として、「BROMPTON(ブロンプトン)」が採用された点にある。

走る“オール電化”オフィス、日産の「e-NV200 WORKSPACe」
“オフィス”としての電気自動車からの移動手段「BROMPTON」

たとえばクライアントのもとに“クルマ”で出向いたとき、オフィス近くに充電設備のある駐車場がないケースもあるだろう。そのようなケースでは、オフィスから多少離れていても充電スポットのある場所に“オフィス”を駐車し、オフィス内部に“駐輪”してある折り畳み自転車「BROMPTON」に乗って最終目的地に出向けば良い。これが、日産の「e-NV200 WORKSPACe」での主張だ。

BROMPTON」とは、タイヤよりも少しだけ大きなサイズに折り畳める自転車。サドルやオプションのフロントバッグなどがおしゃれで、狭い場所に収納できるだけでなく、飾ってみたくなるデザインの良さが特徴だ。

走る“オール電化”オフィス、日産の「e-NV200 WORKSPACe」
参考画像:英国発祥の折り畳み自転車「BROMPTON」

現時点では航続距離が短く、充電スポットもそれほど多くはない電気自動車をオフィスにする以上、折り畳み自転車のような代替交通手段は必要だろう。だが単なる移動手段として見たときには、もっとコンパクトで、もっと価格の安い折り畳み自転車は「BROMPTON」の他にいくらでも存在している。

そのいくらでもある折り畳み自転車の中から、折り畳み/展開が楽しく、乗っても楽しく、所有していることにプライドを持てる「BROMPTON」を選択するあたりに、Studio Hardieと日産のセンスの良さを感じた。

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ドアを閉めた状態の「e-NV200 WORKSPACe」
折り畳み自転車の存在感は意外と大きい
毎日目にするものなので、デザインが重要になる

そして、自分たちの提案する新しい働き方を、従業員にとっても楽しいものにしたいという日産の気持ちも、ここから読み取れる気がする。もっとも、このコンセプトカーは、このまま商品化されたら、困ってしまう人の方が多そうだが。

走る“オール電化”オフィス、日産の「e-NV200 WORKSPACe」
本当にやっちゃうかな?日産