ソフトバンクの実験するEV
「BEMAC」ブランドのトライシクル

ソフトバンクは、電気自動車(EV)を、電車やバスのような公共交通機関として運行する実証実験を始める。フィリピンの首都マニラ市にあるイントラムロス地区で50台を走行させる。

「Mobility as a System」という名称だ。愛媛県のメーカー、渦潮電機の「BEMAC」ブランドによる電動三輪車(トライシクル)を利用する。


単にEVをマニラの市街に走らせるだけでなく、管理システムも導入する。停留所で待つ客の数などに合わせて台数を調整しながら、あらかじめ設定したルートを一定間隔で運行する仕組みだ。

運行情報は、携帯電話回線を通じてリアルタイムに収集し、「クラウド」と呼ぶネットワーク上の環境に蓄積、分析する。運行をより効率化したり、車両メンテナンスを効果的に実施したりするためだ。EVの充電状況なども管理する。

ソフトバンクのシステム
一定間隔での運行を保ちながら、充電やメンテを効率よくこなす

なお、ソフトバンクのシステムは三輪だけでなく、二輪や四輪のEVでも使えるそう。

フィリピンでは、排気ガスによる大気汚染、騒音、交通渋滞といった環境問題が深刻。政府は解決策としてEVに関心を示しており、関連機関がこの分野でソフトバンクと協定を結んだ。

環境改善と省エネルギー効果、EVの課題である充電時間やメンテナンス時間の制約を乗り越えられると証明できれば、フィリピンで普及が狙えるほか、近距離交通を必要とするほかの国や地域への展開も考えられるそう。