完全養殖サイクルのイメージ図
完全養殖サイクルの信頼性が向上、量産化が軌道に

水産大手の日本水産は、完全養殖した本マグロ「喜鮪(きつな)金ラベル」を2017年冬から出荷開始する。量産化が軌道に乗ったためだ。

育てたマグロの卵からまた次のマグロを育てる完全養殖は、さまざまな日本の大学や企業が技術開発に力を入れる分野。日本水産も2007年から研究に着手し、2014年には完全養殖を実現していた。

ただし卵からかえったばかりの本マグロの仔魚に与えるエサが、問題の1つとしてあった。従来はイシダイ、キスなどの仔魚をエサとして与えていたが、効率はよくない。そこで日本水産では代替飼料を開発し、状況を改善した。

また本マグロがある程度大きくなってからのエサも、従来は冷凍した丸のままのサカナを使っていたが、2015年に独自に配合したエサ「T~セージ」を作り、成功を収めた。このエサは常温で管理でき、遠隔地にある養殖場へ輸送しやすい。原料やサイズも、本マグロの飼育環境や成長段階に合わせて調整できる。

そして2016年7月、日本水産のグループ企業のひとつである金子産業の施設で、新たに本マグロの完全養殖を実現。すでに成功している別のグループ企業、西南水産の施設と合わせ、完全養殖の信頼性が高まったそう。

また日本水産の中央研究所大分海洋研究センターでは、2015年に引き続き本マグロの仔魚の大量生産に成功した。

きつなのイメージ写真
「きつな」はまだ育てている最中。どんなマグロが出てくるかはこれから

量産した完全養殖本マグロは、2018年度には1万尾500トン、2019年度は2万尾1,000トンの出荷を予定しているとか。