ドローンとロボットの写真
空のドローンから地上のロボットを操作

空を飛ぶドローン(無人機)から、地上を走るロボットを操作する技術が発表となった。これを駆使すれば、電波の直接届きにくい建物や樹木のそば、山影でもロボットを活躍させられる。

情報通信研究機構、産業技術総合研究所、科学技術振興機構が明らかにした。


ロボットが広い範囲を動き回る際は、無線での遠隔操作が便利。だが建物や樹木、山などの反対側、見通しの届かない場所に回り込んだ場合、通信が途切れてしまう恐れがある。

そこで中継装置の役割を果たすドローンを飛ばすことで問題の解決を図った。

スマートフォンやノートPCなどが使う周波数2.4GHz帯のWi-Fiとは異なる、920MHz帯の新たな通信方式を採用しており、ほかの機器の電波の混信が起きにくく、通信が遅れることも少ない。

すでに実験も行った。操縦する人の見通しの外まで出た小型4輪ロボットを、上空約20~30mを飛ぶドローンを介して制御したところ、うまくいったという。

実験風景の写真。ドローン・ロボット操縦者
見通しの外に出たロボットをドローン経由で操作しているようす

今後はさらに「ドローンでドローンを制御する」技術を開発所定だ。920MHz帯に加えて300MHz以下の周波数帯を使う通信方式を採用する。

将来は、災害時に電波が伝わりにくい建物内やその近くをロボットが調査したり、山間部をドローンが低高度飛行で調査したりする際に、これらの技術が役立つ見込み。またドローンやロボットによる物資配送への応用も視野に入っている。

さらに複数のロボットやドローンが、人間の手を借りず自ら協調しあい、ネットワークを構成するシステムも検討している。