イヤホンを装着して音楽を聴きながら街を歩いていると、友だちが呼ぶ声や、危険を知らせるクルマのクラクションが聞こえなくなってしまうことがある。
「Here One」はそんなときに便利なイヤホン。スマートフォンとBluetoothで連携し、利用者にとって必要な音だけを選んで聞けるようにしてくれる。
その特徴の1つ目は、複数のノイズキャンセリングフィルターを持っていること。従来のノイズキャンセリングイヤホンは“飛行機のエンジン音”のみをカットするなど、特定の音に対するフィルターしか持たなかったが、「Here One」では、必要に応じて適切なフィルターを選択できる。
例えば、「レストラン」フィルターを選択すれば、レストランやカフェなどに特有の騒音をカット。集中して読書や仕事ができるという。
騒がしいカフェでも集中して仕事ができる?
サイレンの音や赤ちゃんの泣き声なども低減できるそうだ。長時間のフライトで隣の席で赤ちゃんが泣き続けると眠れなくて辛いときがあるが、そのような際に「Here One」は便利だろう。
2つ目の特徴は、特定の音を増幅できることだ。例えば騒がしいライブ会場で、友だちの声を浮かび上がらせて会話をすることが可能になるという。
ライブ会場では、「Here One」に搭載されたイコライザーも活躍する。音楽の低音域を強調したり、中音域を下げるなどして、好みの音に変換して楽しむことが可能だからだ。録音されたCDであればともかく、生演奏の周波数特性を変更して聞けるというのは、まったく新しい音楽体験となるだろう。
それって、ライブなの??
そして、「Here One」の最大の特徴が、フィルター機能と増幅機能を組み合わせることで、聴取体験を“パーソナライズ”できることだ。
ちょっとだけ、アンドロイドな気分ですね
例えば、野球場やサッカー場でラジオの実況中継を聴取しつつ試合を観戦するようなケースで、このパーソナライズが活きるという。通常はイヤホンをしてしまうと、スタジアム内の音などは聞こえにくくなってしまう。だが「Here One」を使えばラジオでの実況を聞きながらスタジアム内の歓声を増幅して聞くことが可能だ。試合の熱狂を味わいつつ、実況中継で状況を確認できる。このように、「Hear One」を活用すれば、実際の音の景色の上に別の音を重ねる聴覚上の「拡張現実(Augmented Reality:AR)」を体験できるようになる。
開発元によれば、「Here One」は自転車で走行しながら音楽を聴くときに最高だという。音楽を楽しみながらも、周囲を走るクルマのクラクションやエンジン音を増幅して聞くことができるので、より安全な走行を確保できるためだそうだ。日本では、イヤホンを装着しての走行が許可されないのが残念。
(日本ではNGです)
「Here One」は現在、米国ユーザーに向けて同社の製品ページでプリオーダーを受け付け中。米国向け価格は299ドルで出荷は今年の年末と発表されている。米国外のユーザー向けのプリオーダーも近くスタートする予定。