大涌谷を監視するライブカメラを設置
ヤフーがライブカメラを設置して監視体制を整えた

ヤフーは、箱根の大涌谷を一望できる位置に、高い望遠機能を備えるライブカメラを設置した。万が一、噴火が発生した際は、箱根周辺の住民や観光客にいち早く正確な情報を届け、避難をうながす狙い。

噴火はひとたび起きると、大きな噴石、火砕流などが同時に発生し、避難までの時間に猶予がない場合がある。2014年に長野県と岐阜県の県境に位置する御嶽山の噴火では、多くの犠牲者が出た。


箱根の大涌谷周辺では、気象庁が2015年に一時、噴火警戒レベルを「入山規制」にまで引き上げ、その後「平常」に引き下げた。しかし大涌谷周辺の想定火口域では、ゆるやかな低下傾向はみられるものの、噴気活動が活発なところがある状況だという。

今回は実験として、大涌谷の映像をリアルタイムにインターネット配信し、噴火した際にはヤフーのトップページ、「Yahoo!ニュース」などでも掲載していくという。住民や観光客が遅れず避難できるようにという工夫だ。

カメラの設置場所はどこ?

ところで、非常によい角度から撮影できているようだが、いったいどうやったのだろうか。ドローン(無人航空機)ならば十分可能だが24時間の中継は難しい。専用の柱をどこかに建てるには許可を得る手間やもコストもかかる。

鉄塔付近からの風景
なるほど送電用の鉄塔

答えはというと、大涌谷から2.2kmの距離にある、送電用の鉄塔。

このあたりの鉄塔を所有する東京電力パワーグリッドという企業が協力している。高さ約29mの鉄塔の地上から16m付近にカメラを取り付けている。既存の設備を利用することで短期間で準備を整えた。工事は関電工グループが実施したそう。