カナメのチタン瓦
耐用年数は「半永久的」

日本の寺社仏閣で、激しい風雨や強い陽射しにあっても「半永久的」に壊れないチタンの採用が続いている。東京都の浅草寺は本堂などに続き五重塔もチタン葺きの屋根になる。

チタンの建材は表面に「酸化被膜」といううすい膜が生じてサビたり劣化したりしにくくなる。また丈夫なわりに軽く、建物の耐震性も高まる。かつて精錬が難しく希少金属(レアメタル)にも数えられたが、技術の進歩はすさまじく、近年は複数のメーカーが瓦に使えるチタン製品を販売するなどし、あちこちで導入が進んでいる。

数年前、東京にある浅草寺が本堂の屋根をチタン葺きにした一件は話題になり、テレビ番組も取り上げた。この3月にはTwitterで、兵庫県にある「鹿嶋神社」の大鳥居が鉄骨にチタンを組み合わせた作りで、耐久年数が1,500年と「人類が滅んでも立ち続けているのではないか」と話題になった。

今回はまた浅草寺で、本堂や宝蔵門に続き五重塔の多層の屋根がすべてチタン葺きになる。5万7,000枚の瓦を使い、完工予定は2017年4月。施工を担当するのは栃木県のカナメという企業で、本堂などの葺き替えも手掛けた。

はたして耐久年数はどれくらいかとカナメに問い合わせたところ、「非常に丈夫なため、はっきり何年と答えにくい、瓦そのものは半永久的に保つのではないか」との回答だった。

既存の五重塔は1973年に再建した建物で、屋根は軽量なアルミ合金瓦だった。ただ再建からおよそ40年余りが経過し、瓦にサビやゆがみが発生したため、チタンで葺き替えを決めた。

浅草寺、既存の五重塔
実は既存の五重塔は軽量アルミ合金葺きなのだ。

瓦は福島県喜多方市にあるカナメの工場で製造し、浅草寺に届ける。本堂などと同じく色の濃淡が微妙に異なる3種類の製品を無作為に配置して、昔の瓦のようなむらを再現する。また配色をより「いぶし瓦」に近づける改良を施して、美しさも追求するそう。