「お城ボくん」のデザイン
会津若松の鶴ヶ城をロボットにした「お城ボくん」 (c) tsurugajo, All right Reserved

近年、軍艦、日本刀から高速道路のサービスエリアまで、万物を美男美女に擬人化してきた日本。だが次は「ロボット化」こそが潮流になる、かもしれない。かねてから複数の地方で進む取り組みに、あらためて注目だ。

2016年春に青森県は弘前市が立ち上げた「超城合体タメノブーンV(ファイブ)」は市内5つの城をロボット化。数多くのロボットアニメの主題歌を手掛けて来た水木一郎氏をテーマソングに起用し、インターネット上でロボット好きから関心を集めている。


超城合体タメノブーンVと冬将軍
タメノブーンVという名称は、弘前藩初代藩主、津軽為信(つがるためのぶ)をほうふつとさせる

そうしたなか、城をロボット化する取り組みの先行例として挙がったのが、福島県の会津若松市にある鶴ヶ城をロボット化した「お城ボくん」。デザインは「タイムボカン」シリーズの監督で知られるタツノコプロの笹川ひろし氏が手掛けた。かわいらしくもメカニカルな特徴のある外見は、「ヤッターメカ」などもほうふつさせる。

会津若松は、どのようなきっかけで城をロボット化しようと考えたのか。お城ボくんにたずさわっている会津若松観光ビューローに問い合わせたところ、そもそもの始まりは東日本大震災前にさかのぼるという。ちょうどタイムボカンシリーズの人気作「ヤッターマン」のリメイク版、いわゆる「平成ヤッターマン」の放送があったころに構想が生まれた。

ヤッターマンは、40歳代以上の層も含め幅広いファンが全国にいる一方、会津若松出身のキャラクター、ボヤッキーが活躍し、また34話では会津若松が舞台に。そもそも監督の笹川ひろし氏自身も会津若松出身。せっかくの機会に、作品のファンが会津若松への興味を深めるようなキャラクターを作りたいと考え、タツノコプロにデザインを依頼したという。

鶴ヶ城のマップ(一部)
お城ボ君は会津若松駅や鶴ヶ城、それに観光マップなどにも登場するぞ

できあがったお城ボくんは、会津若松観光ビューローの公式サイトに登場しているほか、JR会津若松駅や鶴ヶ城で勇姿を見ることができる。もしかなうなら、いつかはタメノブーンVなど各地のロボットとともに、一堂に会するところも目にしたいものである。