古い基盤でできたトロイの木馬
巨大で、勇壮、立派に見えるが

昔のPCなどに入っていた部品「基盤」を再利用したアートが話題だ。ギリシャの伝説に登場する「トロイの木馬」の姿に組み立ててあり、いかにも勇壮で立派に見えるが、実は危険でいっぱい。ITのセキュリティに関する皮肉になっている。

トロイの木馬は、ギリシャの叙事詩「イーリアス」に登場する。守りの固い都市を攻めようとした軍勢が、中に兵士をひそませた巨大な木馬を作り、敵をあざむいて内部に運び込ませたうえで、夜になってから不意打ちをしかけ、滅ぼしてしまう。


セキュリティの世界でトロイの木馬と言えば、無害なアプリケーションのふりをしてPCなどに入り込み、悪事の限りをつくす存在を意味する。

そこから連想すると、古い基盤でできたトロイの木馬は、色々な意味に解釈できる。例えば時代遅れになった機器やアプリで作った大がかりなシステムが、内部に危険をかくしたまま、堂々と社会の中にある、といった風に。

このアートは、イスラエルのテル・アビブ大学で6月24日まで開催中のセキュリティに関する国際イベント「Cyber Week 2016」の展示物。日本から現地を訪れた人が、Twitterに写真を投稿し、話題になった。


作品名は「CyberHorse」と言うらしく、Twitter上で情報発信も行っているようだ。