火星と地球の接近を示す画像
火星と地球、本当にぎりぎりまで近づくのは2年後なのだ(出典:国立天文台)

5月末の夜は火星がとても美しい。10日程前に非常に明るく輝く「衝」を迎えた後で、さらに地球との距離が縮まり、「中接近」と呼ぶほどそばに来た。これから9月上旬ごろまでは鮮やかな夜空の灯(ともしび)が楽しめる。

国立天文台の公式サイトが詳しい。火星は太陽のまわりを1.88年(1年と10か月)でひとめぐり(公転)する。地球は1年で公転しており、2年2か月ごとに隣り合わせになる。

ただ火星も地球も、太陽のまわりを完全な円を描いて公転しているのではなく、楕円形になっているため、隣り合わせになった際の距離はいつも同じではない。「大接近」「中接近」「小接近」というように分けて考える。

大接近では6,000万km弱まで近づき、反対に小接近では約1億kmも離れる。今回の最接近距離は約7,500万kmで、やや大接近寄りの中接近。次回の2018年7月31日は、約5,800万kmの大接近になる。

一部のニュースサイトなどで、興奮ぎみに「スーパーマーズ」といった表現が独り歩きしているが、あくまで中接近であるため、そう呼べるほどではない、といった専門家の指摘もある。もちろんスーパーマーズの定義にもよるだろうが、ちょっと大げさすぎる響きはあるかもしれない。

しかし中接近でも十分に見ごたえはあることを、誰も否定してはいない。NASAなどが有人探査の計画を進めていることでも話題の火星。赤く燃えるさまは戦争と不吉の印とも言われるが、どこか胸を騒がせる色をしているからだろうか。ここしばらく、夜空が晴れているときには、見上げてみるのは悪くないかもしれない。