ドローンによる山岳救助技術の開発報告書表紙
技術開発報告書がまとまっている

ドローン(無人航空機)を使って、行方不明になった山岳遭難者を空中からいちはやく発見し、救出につなげようとする技術が発表になった。東京都山岳連盟(都岳連)救助隊と日本山岳救助機構(ジロー)が報告書を公開している。

転落、滑落して負傷した登山者の発見、冬山での雪崩遭難の現場捜索にも活用できるとしている。


ジローなどによると、最近は「第3の登山ブーム」といわれ、登山者の増加が著しい一方、山岳遭難も増加の一途をたどっている。

捜索は警察や防災ヘリにより行う場合が多いが、山麓から捜索隊が登って地上から捜索する活動も不可欠。危険な個所や広大な山岳地をできるだけ短時間に隈なく捜索する必要があり、多大な人員や、時間、費用、二次遭難のリスクが付きまとう。

そこで対策として、ドローンに搭載したカメラによるリアルタイム映像で遭難者を発見できるかどうかの確認と、気候条件の厳しい中での飛行技術、機体の整備法などを研究してきたという。

都岳連の救助隊員の実感では、ドローンによる捜索はきわめて有効で、かつ実用的だったとのこと。

報告書では詳しい実証内容を解説しており、全国の山岳関係者や捜索関係者に役立ててほしい考えだ。