ネス湖に住む「ネッシー」、ヒマラヤの「雪男」、日本のどこかにいるという「ツチノコ」。世界には人々が飽かず正体を追い求める謎がある。仮想通貨/暗号通貨「Bitcoin(ビットコイン)」の開発者、「サトシ・ナカモト」もひょっとするとその仲間入りをするかもしれない。

ビットコインは、インターネット上に広く流通しつつある、新しい「通貨」。特定の銀行や企業がまとめて発行したり管理したりせず、ブロックチェーンという技術によってごまかしを防ぐ。低コスト、迅速、簡便な支払い手段になり得る。

基礎となる仕組みを作った技術者は「サトシ・ナカモト」という仮名で知られ、尊敬を集めているが、詳細は不明。海外メディアは以前から正体を暴くのにやっきになっていた。

ゴシップ好きな百科事典サイトである「Wikipedia(ウィキペディア)」には、サトシ・ナカモト探しの歴史を列記している。2011年に「The New Yorker」がフィンランドの研究者やアイルランドの学生を可能性のある人物として検討し、2014年に「Newsweek」が、米国カリフォルニア州在住のドリアン・ナカモト氏を正体として名指しした。いずれも空振りだった。

2015年には「Gizmodo(ギズモード)」と「WIRED」がオーストラリアに住むクレイグ・ライト氏こそがそうだと示唆したが、当局が氏の住居を捜索したあと、怪しげな人物としてトーンダウンした。

2016年5月になって今度は「BBC」や「CNET」などが再びこのライト氏に光を当てた。ただ雲行きがどうなるかは微妙だ。ライト氏は自らがサトシ・ナカモトであるとする証拠を提出するのをやめたと声明を出し、これを受けた報道は懐疑の色が濃くなっている。

しかし、また空振りに終わったとしても、これが最後の正体探しになるとは思えない。必ずや海外メディアは、次のサトシ・ナカモト候補を見つけ、追いかけ始めるに違いない。そんな予感がするではないか。