公衆電話ボックス(出典:NTT東日本)
公衆電話ボックス(出典:NTT東日本)

昔はあちこちで見かけた「公衆電話」。携帯電話の普及とともに利用する機会は減っていたが、最近、犯罪の被害者が緊急の連絡手段に使ったことであらためて注目が集まっている。

総務省では国民に必須な「ユニバーサルサービス」として、市街地ではおおむね500m四方に1台、それ以外の地域でもおおむね1km四方に1台という基準で公衆電話を設置するよう決めている。だから例え利用する人が少なくなっても、いきなり完全になくなることはない。


■110番に硬貨は不要

公衆電話は、硬貨やテレホンカードなしで、110番(警察)、119版(消防・救急)、118番(海上保安)などに通報できる。デジタル公衆電話(液晶パネルのついているもの)はそのまま受話器をとってそれぞれの番号を押せばよく、アナログ公衆電話は「緊急通報ボタン」を押したあと続けて番号を押せばよい。

■停電時も動く

停電時も利用できる。液晶ディスプレイや赤いランプが消えている場合もあるが、受話器を上げれば通常と変わらず通報などができるという。デジタル公衆電話は同じ場所に複数台ある場合、停電時に稼働していない電話機もあるが、どれかは通じる可能性が高い。NTT東日本やNTT西日本の通信ビルから電話回線を通じて電力の供給を受けているためだ。

■災害時もつながりやすい

さらに災害時などで、通信規制がかかっている場合でも、その対象外として優先して通話ができるようになっている。

これに加え災害時は、110番など以外の番号にも無料で電話をかけられる場合がある。デジタル公衆電話は硬貨やテレホンカードなしで利用でき、アナログ公衆電話はいったん受話器を上げてから硬貨やテレホンカードを入れる必要があるが、通話が終われば戻って来る。

■今後はWi-Fi機能もつくかも

今後はWi-Fi機能がつくかもしれない。公衆電話ボックスに市町村などの無料Wi-Fiを導入する取り組みが進んでいる。


まず東京都千代田区の電話ボックスで3月25日から「CHIYODA Free Wi-Fi」が使えるようになっている。スマートフォンなどを持って近づけば無料で一定時間インターネットに接続して通信ができる。災害時の安否確認や情報入手はもちろん、観光の便利さを考えての措置だ。