画面左上に月、中央に太陽、オレンジに着色(出典:JAXA)
画面左上に月、中央に太陽、オレンジに着色(出典:JAXA)

太陽を月が隠す「部分日食」の鮮やかな写真や動画がインターネット上で公開となった。3月9日に太陽観測衛星「ひので」が撮影した。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)、国立天文台、米国航空宇宙局(NASA)が公開した。


3月9日に話題になった部分日食は平日の午前中という時間帯や、曇り空も多かった影響から、気になってはいても見る機会がなかったという人も少なくないだろう。今回はJAXAの公式サイトから分かりやすい映像が自由にダウンロードできるようになった。

「ひので」が日本時間の3月9日朝に高度680kmでインドネシア上空を飛翔している際、搭載しているX線望遠鏡で撮影したという。輝く太陽コロナを背景に、新月状態の黒い月が太陽の南西(画面右下)からあらわれ、北(画面左上)に向けて横切っていくさまをとらえている。

太陽がほとんど隠れる「皆既食帯」に入る一歩手前の部分日食が撮影できたそう。「ひので」の飛行速度は時速約2万7,000kmと非常に早く、部分日食の開始から終了まで、わずか約15分だったとか。

ほとんど皆既日食?左がオレンジ着色、右がモノクロ(出典:JAXA)
ほとんど皆既日食?左がオレンジ着色、右がモノクロ(出典:JAXA)

「ひので」はこれと前後して、インドネシアで地上から皆既日食を観測していたチームと連携して撮影も行っている。X線コロナ画像をとらえたほか、コロナが発する紫外線輝線を特別な装置で観測した。太陽についての研究に役立つとか。