大手IT企業Google(グーグル)の「囲碁を打つ人工知能(AI)」がもてはやされるなか、日本でも新たに囲碁AIを実現しようとする動きが表に出てきた。ドワンゴは日本棋院と協力して「DeepZenGo(ディープゼンゴ)」プロジェクトを立ち上げた。

最近グーグルは、AI技術をもとに開発を進めるコンピューターシステム「AlphaGo(アルファ碁)」が欧州のプロ棋士に勝利したとして活発に宣伝。海外のニュースサイトが大きく取り上げたためか、日本でも賞賛を浴びている。


もともと囲碁を打つコンピューターシステムについては長い蓄積があり、日本でも開発が進んでいるが、グーグルをめぐるにぎやかな報道に呼応するように新たなプロジェクトがかたちをとった。

ディープゼンゴでは、既存の囲碁を打つコンピューターシステム「Zen(ゼン)」の開発者である尾島陽児氏、加藤英樹氏を中心に据え、将棋を指すコンピューターシステムとして著名な「PONANZA(ポナンザ)」の開発者である山本一成氏、人工知能の研究者で東京大学准教授の松尾豊氏も迎える。

日本棋院も協力を表明しており、和田紀夫理事長がコメントを寄せている。「目的が単にAlphaGoの囲碁AI開発に対抗するためだけでなく、AI能力向上と同時に囲碁の持つ効用を高め、成長させる場としてのプロジェクトということで日本棋院としても賛同したい」としている。

なお、ディープゼンゴプロジェクトによる新システムの完成時期は半年~1年後を予定しているそう。