渋谷、JRの駅構内だけですでに迷宮じみている(出典:JR東日本)
渋谷、JRの駅構内だけですでに迷宮じみている(出典:JR東日本)

最近新しくなり、話題を呼んでいるスマートフォン向けアプリケーション「JR東日本 駅構内ナビ」。迷宮とかダンジョンとかあだ名のある東京駅や新宿駅の中を歩く際に、分かりやすい道案内が受けられる。

このアプリ、もともとは東京駅だけが対象だったが、2月初旬に新宿駅でも使えるようになって再登場し、さっそく多くのニュースサイトやブログが取り上げ、注目を集めた。


Android版もできたよ
Android版もできたよ

東京駅や新宿駅は、よく利用する人でもいつもの経路を外れて知らない区域に入り込むと、もうどちらへ進んでよいのか途方にくれがちだ。Googleマップなどを使っても、目的地へたどりつくには結構骨が折れる。

JR東日本がみずから開発した駅構内ナビは、どこにあるか知りたい施設をメニューから選ぶと地図上にハイライトがつくのが便利。また画面の長押しで出発地、目的地を設定してルート検索ができ、また指で地図を広げたり閉じたりして簡単に拡大、縮小できる。今いる場所をメールなどで誰かと共有する機能もある。

操作画面も分かりやすい
操作画面も分かりやすい

これに加え東京と新宿の駅構内には、アプリを使っている人が現在位置を確認できるよう「ビーコン」も設置してあり、Bluetoothを有効にしていれば今どこにいるのかすぐ分かる。

■渋谷駅でも使えるように?

さて、ちょっと気になるのは東京、新宿と並んで首都圏で「迷宮駅」「ダンジョン駅」と名高い渋谷でも、駅構内ナビが使えるかという点だ。

JR東日本に問い合わせたところ、まだアプリは試験段階だが、よい結果が出れば、渋谷駅に広げる可能性は十分あるとのこと。

ちなみに渋谷駅の内部が複雑だという乗降客の声については、かねてから把握しているようすだった。もちろん複数の私鉄や地下鉄の駅が入り組む構造も影響しており、JR東日本だけの問題ではないのだが。

■でもJR東日本は「歩きスマホ」を気にしている

いずれにせよ駅構内ナビについては試験段階などと言わず、すぐにも本格運用して欲しいところだが、利便性、安全性など確認すべき部分はまだあるかもしれない。

JR東日本が気にかけている問題の1つに「歩きスマホ」がある。スマートフォンでアプリなどを使いながら歩くと、周りの迷惑や事故につながるとして警戒している。利便性のために駅構内ナビを普及させたばかりに、かえってトラブルが多発しては元も子もないだろう。

過去にJR東日本が掲出したポスター
過去にJR東日本が掲出したポスター

なるほど渋谷駅なども狭い通路や階段がかなりある。平坦な場所はもちろん、高低差のある場所で、画面をのぞきこんで視界のせばまった人同士がぶつかりでもすると危険だ。

JR東日本はこのアプリを利用する場合、立ち止まった状態で、あたりに注意してからにするよう念を押している。