Twitterは、時系列にツイート(投稿)が並ぶ画面、タイムラインが基本。次々と勢いよく流れる新着情報が魅力だ。一方で古いツイートは流れ去り、すぐ見えなくなってしまう。これを変更するという報道と否定する声明が出た。

くだんの一件は米国の有力バイラルメディア「BuzzFeed」の記事が発端。2月第2週にも従来の時系列順の表示と異なり、使っている人が見たいと思うような発言を自動判断して優先表示する仕組みを採り入れると報じた。要するに、成功を収めているFacebookをまねる発想だ。


さっそく、Twitterを使っている人の一部で強い反発が起きた。意見としては、例えばFacebook風の機能が使いたければ、そもそもTwitterではなくFacebookを使う。TwitterにはTwitterのよさがあるのに損なうな、といったものがあった。

うわさを打ち消すように、Twitterの最高経営責任者(CEO)であるジャック・ドーシー氏は「2月第2週にタイムラインを変更する計画はない」と説明。たちまちまた国内外で報道となって流れ、日本でもバイラルメディア「ねとらぼ」などが伝えた。


空騒ぎかと安心する声も聞こえ、「今後何らかの変更は実施するが、時系列のタイムラインが完全に失われることはない」といった分析も出た。

しかしTwitterをFacebookに近づけようとする努力は随分前から続いている。特に時系列のタイムラインを変更したいというのは、Twitter社内で根強い意見と思えるふしがある。例えば2014年にもフランスの通信社AFPがニュースサイト「GigaOm」を引用して似たような記事を伝えた。やはりTwitter内部からの情報をもとに報道が出て、幹部が否定するかたちだ。当時も反発はあった。

さらに2015年末にも、Twitterは実際に時系列ではなく優先順位をつけたタイムラインを一部の人を対象に試している。

過去のいきさつをかんがみれば、Twitterはむしろ、人々が報道や新機能の試験導入にどのような意見や感想を持つか注視しつつ、随時、柔軟に方針を調整しているように思える。この件について「今後」がどうなるかは、現時点で決めつけず、あくまで使っている人の反応次第と考えた方がよいのではないだろうか。