携帯電話プランの毎月のデータ通信量に関係なく、自由にインターネットを利用できる公衆Wi-Fi。走行中の地下鉄車内でも使えるようになる見込みだ。2月5日からまず都営浅草線などで独自の無料サービスなどが始まる。

すでに首都圏の地下鉄駅構内では、公衆Wi-Fiを使える場所が増えている。ただし、駅と駅とのあいだを走る車両の中は未対応で、携帯電話回線などにつなぐ必要があった。


■2020年3月までに都営地下鉄全車両に

2月5日からは、まず都営浅草線で順次、車内の公衆Wi-Fiが利用できるようになり、さらに大江戸線、三田線、新宿線と広がって、2020年3月までに都営地下鉄の全車両に拡大する。

使えるサービスは「docomo Wi-Fi」「au Wi-Fi」のほか「Wi2 300」、1回180分使える無料の「都営地下鉄フリーWi-Fi」、時間無制限の「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」などだ。

ソフトバンク系は未参加
ソフトバンク系は未参加

2020年の東京オリンピック・パラリンピックをめざし、外国人観光客の利便性を高める狙いもあるとか。なお都営地下鉄によると、残念ながらソフトバンク系はまだ参加していない。

【追記 2016/1/26 19:04】

ソフトバンクの説明によると、すでに地下鉄駅構内の公衆Wi-Fiは導入しているが、車内のWi-Fiについては未定とのこと。

■乗り入れ中の他社の路線・車両では使えない場合も

ちなみに、やや複雑なのが、都営地下鉄と相互乗り入れしているほかの鉄道会社の扱い。

ドコモなどによると、例え都営地下鉄の車両であっても、ほかの鉄道会社の路線を走っている場合は、公衆Wi-Fiを利用できない場合がある。また都営地下鉄の路線を走っていても、ほかの鉄道会社の車両では使えないことがあるそう。

■東京メトロも車内Wi-Fiを検討中

都営地下鉄と並んで、首都圏の生活の足になっている東京地下鉄(東京メトロ)はどうかというと、やはり走行中の車両で公衆Wi-Fiを利用できるよう検討中らしい。

こちらも2020年の東京オリンピック・パラリンピックを念頭に置いて整備を進める考えらしく、今後詳しい情報を明らかにするそう。

■車内Wi-Fiは今後広がる?

公共交通機関が車内にWi-Fiを導入するのは、初めてではない。例えば2012年には神奈川県の「横浜市営バス」でau Wi-Fiが、2013年には長崎県の路面電車「長崎電気軌道」全線でdocomo Wi-Fiが使えるようになるなど、着実に普及してきた。JR系の一部特急や新幹線は言わずもがなだ。

しかし最近になり、たくさんの外国人観光客を迎えようといっそう整備の機運が高まっているのは確か。今後さまざまなバスや電車が「動くWi-Fiスポット」に変わっていくかもしれない。

不安もある。都営地下鉄のような利用者が多いところで、車内にいる人が一度に使おうとすると、実際どれくらい快適にネットにつながるかとか、セキュリティは万全か、といった疑問がすぐ浮かぶ。とはいえ、ひとまずは便利になることを期待したい。