キャプションなしだと区別できないかも?  カシミヤはヤギの仲間、ヤクはウシの近縁種(出典:産総研)
キャプションなしだと区別できないかも?
カシミヤはヤギの仲間、ヤクはウシの近縁種(出典:産総研)

世の中で売っている「カシミヤ」のマフラーやセーター。つい心をひかれるが本当にカシミヤ100%なのかといえば微妙な商品もあり悩ましい。そんな状況を解決すべく、日本の研究機関が、DNAを使って判別する技術を開発した。金沢工業大学や産業技術総合研究所などが発表した。

カシミヤを使った衣料品は肌触りが良く、高価でも多くの人が好んで買う。一方「カシミヤ100%」などと表示してあっても実際はそうではない場合が多く、悪質な業者をたびたび国が処分している状況だ。

ところでカシミヤとはそもそも何だろうか。実はヤギ科の動物の一種で、標高が上の寒い地域に生息するものが蓄える繊細な下毛は肌触りがよく、高値の取引対象になる。

カシミヤはこんなところで育ってます(出典:産総研)
カシミヤはこんなところで育ってます(出典:産総研)

しかし売っている衣料品はカシミヤだけでなく、密かにヒツジの毛や、ウシの近縁種であるヤクなどの毛を混ぜている場合がある。

こっちがヤク。やっぱりもっふもっふだよ(出典:産総研)
こっちがヤク。やっぱりもっふもっふだよ(出典:産総研)

これまでカシミヤ100%かどうかの判別は、もっぱら光学顕微鏡を使って目視で行っていたが、よく似た動物の毛と見分けるには長年の経験と高度な技術が必要。しかも最近は繊維に対してさまざまな加工を施こす傾向があるため、判別はいっそう難しくなっているそうだ。

そこで日本の研究機関が開発したのが今回の技術。カシミヤの繊維から細胞の一部「ミトコンドリア」を抽出し、そのDNAを調べ、ヒツジやヤクと比較して違いが分かるようにした。工夫を重ね、染色などを施した繊維でも判別できるようにしたという。

DNAを抽出するのだ
DNAを抽出するのだ

これで違いもばっちり、専門家には分かる
これで違いもばっちり、専門家には分かる

この技術は世界で認められ、2015年末に国際標準規格「ISO18074」に採用となった。

衣料品などの品質評価試験をするボーケン(旧:日本紡績検査協会)をはじめとした検査機関が利用している。またカシミヤを産出する国でも取り入れる動きがあるという。従来の顕微鏡による判別方法を補完するような使い方をするそうだ。